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かけた情けは水に流せ。受けた恩は石に刻め。
他者にかけた恩は水に流して忘れるべきだ。
一方他者から受けた恩は心の石に刻みこんで忘れてはならないのだ。
恩を仇で返すなんて人としてあるまじきことだし、かけた恩の見返りを求めるのはあさましい限りである。
だがそう理解できるのは、「恩」の概念を正しく、少なくとも世間の標準に近いレベルで解釈できる人間だけである。
世の中には「恩」の概念と定義が世間一般とは大きく異なるか、存在しないとしか思えない輩、「恩知らず」が少なからず存在する。
受けた恩を水に流す奴
普通何かをしてもらったら、その相手に感謝して何かを返そうとするもので、
それを仇で返すのはむろんのこと、
間違ってもすかさず次の頼みごとはできないはずだ。
だが確実にそういうことをする奴、受けた恩をきれいに記憶から消す奴がいる。
俗に言う頼みごとの多い奴のことを指し、口癖は「頼みがある」。
普通ならば頼みを聞いてくれた相手に感謝して、何かの機会にお返ししようと考えるのが常識だが、
こういう奴の場合、頼みを聞いてくれた相手を「便利なアイテム」として記憶するようだ。
一応「ありがとう」とか「このことは忘れない」とか感謝してるようなことは言うが、
それは感謝ではなく「お前は使える」か「今後も俺に尽くせ」と解釈すべきだとしか思えない。
そのくせこちらの頼み事はにべもなく却下する!
「恩の無銭飲食」もしくは「恩の万引き」をする百害あって一利なき癌細胞か悪霊のような奴だと言えよう。
もはや同じ価値観を有する人類とは思えない。
かけた恩を取り立てる奴
確かに他人に何かをしてあげて、何も見返りがなかったら「そりゃないだろ」と思いたくもなる。
だが、露骨に見返りを求めたら、それは相手方にとって「恩」ではなくなる。
別の意味において「受けた恩を水に流す奴」の逆で、他人にかけた恩をいつまでも忘れず、あまつさえ取り立てようとする輩も世の中にいる。
分かりやすく言えば恩着せがましい奴のことだ。
こういうタイプに限ってやってくれたことは大したことではないか、こちらが頼んでもいないことで、
それに見合わない過大な恩返しを要求してくるのだ。
自分のかけた恩と相手が感じるべき恩、そして返すべきお礼を勝手に数値化して査定、しかもそれを水増ししており、
「恩」を債権とみなして利子までつけ、なおかつ高利である。
そして、「俺はこれをやってやったんだから、お前はあれをやるべきだ」と“抵当権”まで具体的に設定している場合もある。
だからこちらが完済(恩返し)したと思っても、まだ残債が残っているとみなして延々恩返しを要求してくるのだ。
私はこういう輩のことを「恩の高利貸し」、もしくは「恩の闇金」と呼んでいる。
ひょっとしたら債権ではなく、株式を取得したと考えてそれをたてに取る「恩の総会屋」か「恩のクレーマー株主」と呼ぶべきなのかもしれないが、
ダニか寄生虫のような奴であることには変わりはない。
精神の自己免疫力をつけよ
俗にいう「恩知らず」は恩を仇で返す者を指すようだが、
以上二つのタイプもまた恩の概念を正しく理解していない点では「恩知らず」にカテゴライズされるべきだと思う。
人として生きる上で、冒頭の「かけた情けは水に流せ。受けた恩は石に刻め」を旨にすべきなのはもちろん、
これら「恩の無銭飲食」や「恩の高利貸し」をする「恩知らず」になってはいけないのは言うまでもないだろう。
そして何より、無銭飲食」や「高利貸し」をさせないようにすることも重要なのだ。
人間関係も自然環境と同じ、善玉ばかりではない。
かような悪玉が存在し、それはウイルスや雑菌に似て意外と身近に潜んでいる。
健康的な人間関係を維持して社会生活を送るには身体の健康と同じく、精神の自己免疫力や抗体を持つ必要もあるのだ。
「ウチで無銭飲食か万引きしたら覚悟しておけ」「取り立てられるなら取り立ててみろ」というオーラと気迫こそがその精神の自己免疫力や抗体にあたり、二足歩行するがん細胞や寄生虫を近寄らせないのだ。
そういった人間が「かけた情けを水に流し、受けた恩を石に刻め」ば、彼もしくは彼女はもはや人間関係において何も恐れるものはないであろう。
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