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2021年 おもしろ 悲劇 本当のこと

あわやローン地獄~カーシェアリング投資被害未遂~

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世の中うまい話などそうそうあるわけがない。

知恵も労力も使わず、リスクもなしに金など稼げないのだ。

そう分かっていても、楽して安全に稼げることをうたうスキームは次々出現するし、それを真に受けて地獄を見る者は後を絶たない。

2020年11月20日に東京地裁に破産を申請し、破産手続きの開始決定を受けたSERIAS(セリアス)社によって大きな負債を背負わされて途方に暮れる人々もその類ではないだろうか。

同社とその関連企業は2018年4月より東京で「スカイカーシェア」というサービス名でカーシェア事業を展開。

「高級車はシェアする時代」などと宣伝して、メルセデスベンツ、BMW、アウディ、レクサスなどの高級車を最安24時間6800円とレンタカーより安い料金設定でユーザーを集め、月単位の貸し出しもしていた。

その高級車は今回被害者となった個人投資家に購入させたもので、その投資家が買った高級車を同社が預かって、個人間カーシェアとして貸し出していたのだ。

投資家たちは、

「家を買って賃貸に出す不動産投資の自動車版」、
「レンタカーの『わ』ナンバーではない高級車はシェアの需要がある」

と、車を貸し出して運用に回せば利益を得られるというSERIAS社のうたい文句を信じて出資。

彼らは同社のグループ会社や提携先の中古車販売会社から1台数百万円の高級車を7年ローンで買うことになるが、

毎月のローン代金や保険料、駐車場代などは全て同社から投資家の口座に入金され、

数日後にその代金がローン会社や保険会社へ支払われる(口座やクレジットカードから引き落とし)ため、一切金銭の負担がないという説明を受けていた。

こうして一見するとノーリスクに見える上に、

  • 契約時に車両代金の1割(サービスが始まった当初は一律34万円)が支払われる。
  • 毎月1万円(場合によってシェア利用された料金の5%)の配当。
  • 7年後には期間満了時に100万円(2年契約のケースもあり)が支払われる。

という投資家にとっていいことづくめの条件であり、更には他の投資家を紹介して契約に至ると10万円かそれ以上の紹介料が支払われたため、集まった投資家は600名を超えた。

だが、ローンや維持費を肩代わりしてもらえて、あまつさえ配当が支払われるのはSERIAS社の事業の健全な継続が前提である。

同社は大阪にも進出するなど事業の拡大を順調に見せかけていたが、翌2019年には早くも高金利での1.2億円の資金調達を強いられるなど資金繰りが悪化。

2020年8月にはコロナ禍を理由に「翌9月に2か月分まとめて払う」ことを条件として投資家へのローン代や配当を停止したが、10月には事業そのものを停止。

上述のとおり11月20日に破産が決定した。

SERIAS社の負債は判明分だけで4億円を超えるが、負債を背負ったのは投資家も同じであった。

ローンを肩代わりしてくれるSERIAS社はもう存在しなくなったからだ。

投資家のほとんどは他に自動車ローンがなく、信用情報も真っ白な20代から30代の若者たちであったが、当然年収は年齢に相応して高級車とは無縁の水準に過ぎなかった。

そんな彼らにとっては数百万を超えるローンは荷が重すぎ、自己破産を考えている者も少なくない。

「うまい話を信じる方が悪い」

と世間には彼ら投資家を批判する声が多いが、私はあえてそう思わない、というか思う資格がない。

なぜなら、

私は一歩間違えたらその600名のうちの一人になっていたかもしれないからだ。

2018年6月某日、SERIAS社との遭遇

私が「スカイカーシェア」を知ったのは知人の副業マニアで実業家気取りの会社員K江の紹介だ。

ちょうどSERIAS社が同事業を始めたばかりのころである。

その前年、私は仮想通貨にはまったが、年明けに暴落(これもK江の紹介)。

投入した資金は大したことがなかったので損失もさほどではなかったが、株式以上に暴騰し、黙っていても自分の資産が増えていく仮想通貨取引の快感が忘れられず、「元手ゼロで金が入ってくる話がある」というK江の誘いにホイホイ乗ってしまった。

もっとも、乗り気だったのはK江の方で、今から思えば彼も紹介料がもらえるからだったと思われる。

話を聞いたその日のうちに、彼を通じてLINEでSERIAS社の担当者にアポイントを取り付け、後日池袋で詳しい話を聞くことになった。

そして当日、待ち合わせは池袋駅東口に近い某家電量販店の前。

そこへSERIAS社の担当者と称する人物が見るからに値が張りそうな外車で乗り付けてきた(車に詳しくないので車種はわからない)。

担当者はM田という人物で、SERIAS社破綻後に分かったことだがグループ会社のうちの一つの代表を務めていたようだ。

にこやかな笑みを浮かべ、しゃべり口も柔らかな四十代の人物だったが、何となくまともな仕事をしていたら経験することのないような修羅場もくぐってきたような凄みも感じた。

要するに少々グレーンゾーンの人間っぽい。
実際にもらったM田氏の名刺

私はM田氏の車に乗せてもらって近くの駐車場まで移動し、そこのすぐ近くのコーヒーショップで「スカイカーシェア」のカーシェアリング投資の話を聞いた。

M田氏は一連の説明の中で高級車を自分名義で買うことになるが、ローンはじめ駐車場代や保険料などの費用はSERIAS社持ちだからこちらの負担はゼロであると強調し、毎月の配当も当然保証すると断言した。

怪しい。はっきり言って怪しい。

そんなうまい話などあるものか。

それが本当だとしても、もしSERIAS社が破綻したらローンはこっちに降りかかるだろう。

それにこれって「かぼちゃの馬車」と似てなくないか?

2018年のこの当時、サブリースによる賃料保証をうたい、上京する女性のためのシェアハウス「かぼちゃの馬車」を不動産投資用の商品としてサラリーマン投資家に販売していた株式会社スマートデイズが破綻したばかりだった。

そして、賃料の入金をストップされた多数のサラリーマン不動産投資家が大きな負債を背負わされていたことが問題となっていたことは私も知っていた。

確かに、自分名義で費用はSERIAS社持ちで高級車を購入したら最初に34万+(毎月1万×84か月)+満了時の100万、合計218万円ブラスアルファが手に入るのは魅力だが、

SERIAS社が破綻するんじゃないかと生きた心地がしない状態が7年も続くのはごめんだ。

それにホントに払ってくれるかどうかもわからん。

「まあ、ご検討ください」

M田氏はその場で契約を迫ることはせず「興味が合ったらLINEでご連絡ください」といった感じだったので、

私は「そうします」と答え、そのままM田氏とは別れた。

だが、その時点で実は結構揺れ始めていたことを告白する。
「もし紹介者のK江がやったら自分もやってみようか」

と考えてしまったりもしていたのだ。

K江は翌日早々結果を尋ねてきた。

私は「アンタはやるのか?」と聞いてみたが、彼は不動産に投資するからやるつもりはないとのこと。

そして、何となく危ない部分があって決めかねていることを話すと、「まずはやってみたら?」と無責任なことを言ってきやがった。

バカ野郎。
「まずはやってみた」結果、大損こいたらどうしてくれるんだ!

こいつは自分が損しただけでなく、自分が勧めた案件で他人が損しても「自分にとっても相手にとってもいい経験になったはず」とポジティブにとらえる奴なのだ。

でもな、毎月何もしなくても金が入ってくるのは捨てがたい…。

などと、グダグダ迷っていたら、

一週間もたたないうちに私のLINEの友だち欄からM田氏の名前が消えた。

「脈なし」とあっさり判断されたらしい。

こうして私は何もしないうちにSERIAS社から一方的に縁を切られた。

そして2年後

2020年11月20日、SERIAS社が東京地裁により破産手続きの開始決定を受け、莫大なローンを抱える羽目になった投資家が続出したのは上述のとおりである。

そのニュースを聞いた時、たった2年前のことなのにすっかり忘れていて、「そういや似たような話、身近で聞いたな」と思って調べてみたらまさにそれそのものだったので背筋が凍った。

また、続く報道によりSERIAS社が様々な不正行為を行っていたことも明らかになった。

まず同社のうたうカーシェアリングだが、投資家名義とはいえ事業者が預かって管理している以上、法的にはレンタカーでカーシェアリングの定義からは外れるという。

そして投資家に高級車のローンを組ませるにあたって、年収を水増しして申告させていたこと。

本当は350万円くらいしか年収がない人に600万と偽って記載させたりしていたわけだが、ローン会社も不動産と違って自動車のローンの審査は甘く、そのまままかり通っていた。

この大甘の審査の下、配当が倍になるとSERIAS社にそそのかされて複数台購入して、後により大きな負債を背負うことになった投資家もいたようだ。

更に高級車のオーナーとなっていた投資家たちは自分の車を確認しようと(ローンがある以上、所有者はローン会社となるのですぐ取り戻すことはできない)、SERIAS社の所有していた高級車が停めてある埼玉県の駐車場に向かったのだが、500万だの600万だののローンを組まされた自分の車は査定額が100万から300万円のものが多かった。

投資家たちは法外な値段でボロ車を買わされていたのだ。

もっとも、これは車に詳しい人間だったらローンを組まされる前に気づいていただろう。

投資家たちの多くは車の知識に乏しく、実際に自分名義となった車を見た者も多くはなかったのだ。

私も車のことはよくわからなかったから、だからこそやらなくてよかったのだと本当に思う。

だが自分の車が実は安物だったとしても、まともな状態で見つかった人はまだ幸運だったと言えよう。

車を見つけられても事故で大破していたり、まだ未納で自分の車が存在しない人までいたからだ。

なお、よりヤバいことにSERIAS社が破綻した後も貸し出されている車があり、その利用者を調べて連絡してみると暴力団組員。

車の購入やレンタカーを利用できない「反社」、即ち暴力団員が少なからずこのサービスを利用していたことが判明したのだ。

よって、それらの利用者に返還を求めても当然のらりくらりと逃げられたり、逆にすごまれたりする始末で、しかも彼らが踏み倒した違反料金やコインパーキングの支払いもその車のオーナーとなっている投資家に請求が来る事例があるなど踏んだり蹴ったりだ。

SERIAS社について、その代表は反社会勢力と関係の深い人物であるともされ、ハナッから破綻前提のスキームでこの事業をやっていた可能性もあるなど、まだ明らかになっていない闇の部分も多く、その解明が待たれる。

他の詐欺案件と同じく、被害者となっている投資家に金が戻ってくる可能性はほぼなく、ローンも免除されることもなさそうだ。

危ないところであった。

私もあわやこれら被害者の仲間入りをするところだったじゃないか。

ノーリスクの話は信じちゃいけないし、知識のない分野で勝負してはいけない。

それなりの知識と経験の裏打ちによってリスクに立ち向かう者のみが金を稼ぐ資格があると考えるべきだろう。

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地球破壊兵器?=反物質爆弾とは

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反物質兵器とはエネルギーや推進剤又は爆発物にもなり得る、けた外れのパワーあるいは破壊力を有する兵器であって、SFなどのフィクションの世界でたびたび登場する。

しかし現実の世界においてもそれを実現させようという試みがすでに始まっている。

米国は冷戦の時代にはすでにその壊滅的な破壊力に着目し、軍事利用のための反物質関連の研究を助成してきた。

反物質は物質と衝突させると質量が100%エネルギー(高エネルギーのガンマ線)に変換できるため、その軍事的な利用価値は極めて高いからだ。

ちなみに、核融合反応を利用する水素爆弾はおよそ0.7%の質量エネルギー変換をしているに過ぎないことから、反物質を軍事利用した場合の威力がご想像いただけるであろう。

核兵器よりはるかに危険になりうるかもしれないこの兵器、果たして現状ではどれほど研究が進んでいるのだろうか?

反物質とは?

我々の周りの物質はいずれも原子からなるのはご存じのとおりだ。
どの原子も電荷を持たない中性子とプラスの電荷を有する陽子からなる原子核と、その周りでスピンするマイナスの電荷を有する電子から構成される。
水素や炭素、酸素などの種類の違いは原子核を構成している中性子と陽子、それに対応した電子の数の違いによる。
つまり物質とは全て陽子・中性子・電子から成り立っている。

一方の反物質とは、我々の知る物質に対して質量とスピンが全く同じだが、構成する素粒子の電荷などが全く逆の性質を持つ反粒子によって組成される。
例えば、電子はマイナスの電荷を持つが、反電子(陽電子)はプラスの電荷を持つ。
中性子と反中性子は電荷を持たないが、中性子はクォーク、反中性子は反クォークから構成されている。
反物質の原子核は外側を反電子たる陽電子に覆われ、反陽子と反中性子からなる「マイナスの原子核」であり、 こうした反粒子からなる物質が反物質と呼ばれるのだ。

反物質とは、宇宙の主要部分を構成する一般的な物質が「鏡面反転」された、反対の性質を持っている。

それを例えて言うと、鏡に映る自分が現実に目の前に現れたならば、その目の前の鏡の中の自分は左右が逆である以外は自分と同じ「反自分」と呼ぶのと同じなのだ。

この反物質は自然界にはほとんど存在しないが、その存在は1928年に物理学者のポール・ディラックによって予言され、20世紀を通じて研究が進んで、1995年には欧州原子核研究機構(CERN)とドイツの研究チームが反陽子蓄積リングによって陽電子と反陽子からなる9個の「反水素」の生成に成功。

この反水素は一億分の三秒で反陽子と反電子に分かれてしまったが、人類はすでに反物質を作り出すことができるのだ。

対消滅の効果

そして反物質は人類が発見した中で最も強力なエネルギー源であり、爆発物となり得る。

物質と反物質が衝突すると対消滅という現象を起こし、光子又は中間子となって巨大なエネルギーとなって放出されるからだ。

アインシュタインの相対性理論で有名な質量とエネルギーの関係を示す等式E=mc2によると、反物質は微量でも驚くほど大きなエネルギーを生成することができ、 100%の効率で放射状にエネルギーを放出する。

米国のランド研究所による反物質実験の報告書によると、1グラムの反物質と1グラムの物質が衝突して対消滅すると、放出されるエネルギーは5×107キロワット/時(約6メガワット/年)に達するという。

それは同じ質量での中性子とウラン235原子核の核分裂反応の約1054倍であり、セシウム原子核の核融合反応の約266倍のエネルギーに相当する。

したがって、反物質はエネルギー問題を決定的に解決する「エネルギー革命」を実現することができ、亜光速ロケットの推進燃料に利用することも不可能ではない。

だが反面、反物質を兵器として使用した場合には上記のとおり原子爆弾の1064倍、水素爆弾の266倍の超ド級の大量破壊兵器となる。

そして、その軍事利用に向けた研究はすでに始まっているのだ。

軍事利用

反物質の軍事的な利用方法は主に以下四つである。

第一に超高速ミサイルの推進燃料。

第二に宇宙軌道上の軍事ステーション、その他の分野での超小型・超軽量エネルギー発生器。

第三に水素爆弾を起爆するための「核トリガー」。

第四に任意に調整可能な反物質爆弾である。

米国を主とした西側の核保有国は、第四の反物質を弾薬として使用する反物質兵器に関心を持っているらしく1983年より、米国のランド研究所での実現可能性研究を開始しているという。

研究によると、100万分の1グラムの反陽子と陽子が対消滅(爆発)後に放出するエネルギーは37.8キログラムのTNT爆発物に相当する。

1グラムの反物質は約4万トンのTNT爆発物に相当し、これは広島に投下された原子爆弾のエネルギーとほぼ同じである。

また、数マイクログラムの反物質は、熱核反応のトリガーとして、あるいは強力なX線バーストまたはγレーザーを励起することができる。

反物質の量を調整することによって、威力も用途も変えることができるのだ。

米国国防総省は2008年9月、コードネーム「反物質特別攻撃2008」というコンピューターシミュレーション演習を行った。

その内容とは以下のものである。

201X年、一名の工作員が某極東大国の首都に反物質時限爆弾を持って潜入、首都中心部の同国軍参謀本部ビル近くの公衆トイレに反物質時限爆弾を設置する。

撤退後にその爆弾が爆発すると、同国軍参謀本部の建物と関連施設は跡形もなく灰燼に帰すが、その工作員が運んだ反物質はたった5000万分の1グラムである。

その後、反物質パルス爆弾が同国の電力・通信ネットワーク関連施設の上空で爆発、その瞬間から、同国の軍事・社会活動は完全に麻痺する。

演習の後、米国国防省の将軍は「反物質爆弾は数グラムで地球を破壊する」と驚嘆した。

西側ではかような性能を有する反物質兵器を第四世代の核兵器に分類している反面、恐ろしいことに「通常兵器」として通常の戦争や地域紛争で使用可能とみなしているらしいのだ。

反物質兵器の利点は、エネルギー密度が高く、起爆が容易であり、原子爆弾のように核分裂反応に必要な臨界量のために体積を減少させることができないことはなく、水素爆弾のように核融合反応に必要な高温を得るために原子爆弾による起爆もいらないなど数多い。

そして何より反物質爆弾が従来の核爆弾と大きく異なる利点は、水素爆弾と同等の破壊力を持ちながら爆発時に電磁波のみを発生させ、核放射を発生させないことである。

生物や植物を放射能で汚染しないため「きれいな水素爆弾」だからというのが「通常兵器」とみなしている理由だ。

その一方で、プリンストン大学高等研究所の歴史家で科学者のジョージ・ダイソンは、「クリーン」な反物質兵器は「汚い」核兵器より恐ろしいと指摘する。

実戦に投入される可能性がより高いからだ。

もしアメリカが反物質兵器を開発すれば、核兵器のような放射能汚染の心配がない分通常兵器として扱われ、米軍は戦場でより傍若無人になるだろう。

だが、幸いにもそれは今すぐではないようだ。

反物質兵器開発の前に、反物質自体の生成にはまだ越えなければならない技術的障壁があるからだ。

技術的難点

反物質兵器開発への最大の障害は、反物質の生産と貯蔵にある。

天然資源として埋蔵されているわけではなく、実用に十分な量の反物質を安価に生産する方法がまだないのだ。

既存の技術では、高価で大規模な粒子加速器を必要とし、大都市の総電力に相当するエネルギーを投入して、ようやく非常に少量の反物質が得られるか否かである。

現在最大の粒子加速器を使用するCERN(欧州原子核研究機構)でさえ、1グラムの反物質を生産するのに40億年かかる。

現代の科学技術では1000億分の1グラムの反物質を生産するのに60億ドルの費用が必要ともされる。

反物質の保存についても問題がある。

巨大な設備を必要とする強力な電磁界ではなく、ボトルに詰め込むなど小さなスペースに十分な量の反物質を保存する方法がまだないのだ。

また、物質と反物質が衝突することで起こる対消滅のメカニズム自体にも本質的な解明がなされているわけではなく、さらなる研究が待たれる。

仮に開発に成功したとしても、反物質爆弾の備蓄は技術的に難しいものになるだろう。

通常の核兵器であっても保管や安全性の確保が容易ではないのだ。

ましてや反物質は普通の物質ではなく、強力な磁場エネルギーによって閉じ込め続けなければならない。

この強力で断続的な磁場エネルギーは、より高度で信頼性の高い設備だけでなく、維持するための巨大な電気エネルギーも必要となる。

したがって、反物質爆弾の運用は容易ではない。

そして反物質爆弾の安全性の確保も問題となるはずだ。

巨大な技術的リスクがあり、一旦制御不能になると他国を攻撃する前に自国が消滅する。

反物質爆弾はTNT爆薬相当で1kgから1兆トンまで威力を調節することができるが、 地球自体をも破壊できるため、より大きな人類滅亡への脅威が一つ加わることを意味する。

近年の進展

反物質爆弾の開発にはまだほど遠いが、反物質に関する研究は21世紀になってからも着々と成果を挙げている。

2002年 欧州原子核研究機構で日本を含む国際共同研究実験グループが、5万個ほどの反水素の大量生成に成功。

2008年10月、米軍関連の研究者が100万分の1グラムの反物質を生成するコストを10億ドルから1憶ドルに削減する方法を発見。

2010年11月 欧州原子核研究機構で日本を含む国際共同研究実験グループが、反水素原子38個を磁気瓶に閉じ込めることに成功(反水素原子の存続時間は0.2秒間)。

2011年4月、米ブルックヘブン研究所(BNL)の実験により、これまでで最も重い反物質である「反ヘリウム原子核」が合成された。

10億回の金原子核の衝突によって生じた5000億個の荷電粒子の軌跡を調べたところ、その中で18個が、反ヘリウム原子核と思われる軌跡であった。

これ以上重い反原子核は生成確率が非常に低いため、現時点で人類が手にすることの出来る最も重い反物質である。

2011年6月、欧州原子核研究機構で日本の理化学研究所や東京大学含む日米欧などの国際共同研究実験グループが、反水素原子を1000秒以上閉じ込めることに7回成功。

2017年11月には、雷によって空気中で反物質が生成され、対消滅を起こしている事が報道された。
対消滅ガンマ線を検出した事が証拠とされる。

2020年3月、欧州原子核研究機構(CERN)は水素の反物質の双子である「反水素」を従来より長く閉じ込める方法を発見した。

反物質爆弾と我が国

反物質の研究が今後大いに進展して大量生産や備蓄ができるようになれば、有限で環境を汚染する化石燃料や危険な原子力に頼らなくてもより効果的な発電が可能となり、エネルギー問題はほぼ解決されるかもしれない。

亜光速ロケットの燃料とすることも夢ではない。

しかし反物質がエネルギー源として実用化されるようになった未来には、反物質爆弾も必ず開発に成功し、現実にある脅威として存在しているはずだ。

人類とはそういうものだ。

核兵器の恐ろしさを認識しながらも、開発研究を続けたように。

我が国は唯一の被爆国として、核兵器の廃絶を願っている。

しかし、核兵器は決してなくならないし、なくなるはずがない。

かような大量破壊兵器を、どの国も持っていなかったら自国は持とうとするし、

他国が持っていたら、なおさら強力なものをより多く持とうとする。それが人情だ、国際標準の。

その核兵器を廃絶させるのは無理にしても新たに開発するのを断念させ、あわよくば削減せしめるのは、核兵器を陳腐化させるほどのより効率的で破壊的な兵器の出現こそが現実的だと思わざるを得ない。
すなわち、反物質爆弾である。

我が国こそ、反物質爆弾を開発すべきである。

核戦争の悲劇はまず我が国で繰り返させないことから始めよう。

米国による核の抑止力以上の、自前で問答無用の抑止力を保有するのだ。

非核三原則や憲法第九条にはない圧倒的な凄みで仮想敵国ににらみを利かせ、平和を維持するだろう。

日本の国際的な地位も否応なしに上がる。

我が国がやらなくても、きっと他の国が開発する。

その国によっては取り返しのつかないことになるだろう。

他国が持つより我が国が持った方がはるかにましなはずだ。

国家百年の大計のためにも、反物質爆弾の開発と保有にまい進すべきである。

出典元―百度百科及びWikipedia

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知られざるイスラエルマフィア

長年続くパレスチナ紛争によりきな臭いイメージがある反面、近年ではスタートアップ企業が毎年1000社以上も設立されるイノベーション国家として注目されるイスラエル。

そんな頭脳立国にも犯罪組織、イスラエルマフィアは存在する。

本稿で取り上げるイスラエルマフィア(ヘブライ語:מאפיה ישראלית、「イスラエルの組織犯罪」の意)とは主にイスラエルで活動するイスラエル人の犯罪組織であって、アメリカで組織されたユダヤ系アメリカ人のマフィアではない。

イスラエルマフィアの現状

イスラエル国内では主なもので16団体のマフィア組織が活動し、そのうち6団体はマグレブ(北アフリカ諸国)系ユダヤ人の組織で、3団体がアラブ人の組織である。

現在それらの組織のボスや構成員の多くは殺害されたか服役しているとされるが、残党が犯罪行為を続けており、壊滅に至ってはいない。

知られているのはアバージル一家、アバットブル一家、アルペロン一家、ドムラーニ一家、シラジ一家、アミール・モルナールやゼーヴ・ローゼンスタインが率いるシンジケートであり、彼らの裏ビジネスはイスラエル内外での違法カジノ、自動車窃盗、売春、人身売買、資金洗浄、みかじめ料の徴収、ゆすり、殺人 、闇金融、麻薬売買と多岐にわたる。

マフィアに詳しいイスラエルの元警視総監デビッド・コーエン氏によると、イスラエルのマフィア組織は表経済や地方自治体にまで浸透しており、2010年にはリクード党のクネセト(イスラエルの立法府)議員としてマフィアの身内がいる者が選出されたことが問題となった。

マフィアは大量の爆発物や銃器で重武装しており、2000年代初頭に発生したアバージル一家とゼーヴ・ローゼンスタイン一派との抗争では爆弾まで使われて幹部が殺害されただけでなく、無関係の市民も巻き添えになっている。

イスラエル警察はマフィア対策にIakhbalという特別部隊を組織して、これらのマフィア組織を取り締まっている。

2008年、テルアビブで起きた車爆弾爆発事件、アルペロン一家のボスが殺された

イスラエル国内のマフィア

北アフリカおよび中東系ユダヤマフィア

イスラエル建国後、北アフリカや中東各地からもユダヤ人が移住してきたが、同じユダヤ人でありながら同国で主流派を占めるヨーロッパ系ユダヤ人から差別され、彼らの多くは貧民区での暮らしを余儀なくされるようになった。

やがてそこからエジプトやモロッコなどの北アフリカ系ユダヤ人たちによるマフィア組織が台頭する。

これらモロッコ系ユダヤ人のイスラエルマフィアは主に麻薬取引をシノギにしており、ヨーロッパと米国に活動範囲を広げている。

イスラエルではそれらモロッコ系ユダヤ人のマフィア組織としてアバージル一家、アバットブル一家、ドムラーニ一家が特に有名であり、他にエジプト系ユダヤ人のアルペロン一家、イラン系ユダヤ人のシラジ一家が活動している。

中でもモロッコ系のアバージル一家は麻薬から殺人まで犯罪ならば何でもござれで、前述の一般市民をも巻き込んだ抗争や米国への大規模な麻薬密輸で悪名が高く、国内ではアバットブル一家やアルペロン一家、米国ではメキシコマフィアやその他さまざまなギャングと対立するなど武闘派ぶりが際立っている。

彼らはイスラエル警察に指名手配されると先祖が暮らした地であるモロッコに逃亡することが多い。

逮捕されたアバージル一家ボスのイツィク・アバージル(中央)、2011年1月12日

パレスチナマフィア

パレスチナ人(アラブ系イスラエル人)のマフィア組織も存在する。

ハマスやアル・アクサ殉教者旅団のように曲がりなりにも主目的を反イスラエル武力闘争に掲げている組織とは違い、こちらは純粋に闇の経済活動に特化している。

パレスチナ人が大多数を占める都市ではこれらのマフィアが暗躍しており、イスラエル中部の街タイベに拠点を置くアブデルカデル一家はしばしばユダヤ人犯罪者とも結託し、恐喝、麻薬および武器密売、詐欺、マネーロンダリングに関与している。

逮捕されたジャルシ一家のハッサム・ジャルシ

同じくイスラエル中部の街ラムラのパレスチナマフィアのジャルシ一家は、イスラエルで最も恐れられるマフィア組織の一つである。

パレスチナマフィアは米国でも活動が確認されており、ムーサ・アリヤンを中心とする犯罪組織はニューヨークでヘロインの密輸をシノギにしていた。

ロシア系ユダヤマフィア

イスラエルのロシア系ユダヤ人のマフィアは、1989年から始まったロシア系ユダヤ人の大量移民に伴ってやって来た。

ロシア系ユダヤマフィアのボスであるセミオン・モギレヴィッチなどはイスラエル市民権を獲得し、後にマネーロンダリングを主なシノギにするようになる。

彼らが目をつけたのイスラエルの銀行システムであり、同システムはアリーヤー(世界各国のユダヤ人のイスラエルへの移住)とそれに伴う資本の移動を奨励する仕組みになっていたが、それをマネーロンダリングに悪用したのだ。

世界的な金融規制緩和の傾向により、イスラエルもまた資本の移動を緩和することを目的とした法律を制定したが、マネーロンダリング防止のための法律が欠如していたため、不当に得られた利益を易々と洗浄することができた。

2005年のイスラエル警察の推定では、ソ連崩壊から15年間で50億ドルから100億ドルがマネーロンダリングされたとされる。

ロシア系ユダヤマフィアのボス、セミオン・モギレヴィッチ

他にロシアやウクライナ出身のユダヤ人犯罪者たちはニューヨークやマイアミへのロシア系ユダヤ人の大規模移住に伴い米国にも拠点を築き、さらにはベルリンやアントワープなどのヨーロッパの都市にもネットワークを広げた。

マラト・バラグラ(左)とエフセイ・アグロン(右)

アメリカで活動したロシア系ユダヤ人のギャングとしては、マラト・バラグラ、エフセイ・アグロンが有名であり、彼らはゆすり、売春、麻薬密売、強要、ガソリン詐取、殺人に関わっていた。

グルジア系ユダヤマフィア

ロシア系ユダヤ人同様、イスラエルに移住したグルジア系ユダヤ人もマフィア組織を結成しており、アントワープなど西ヨーロッパにも勢力を伸ばしている。

アントワープではグルジア系ユダヤマフィア・メリホフ一家が有名で、この組織は偽造、詐欺、マネーロンダリング、麻薬・武器密売、売春、強盗などの犯罪行為を行っていた。

海外でのイスラエルマフィアの暗躍

米国での犯罪

1980年代、ニューヨークにジョニー・アティアスが率いる「イスラエルマフィア」と呼ばれる犯罪シンジケートが出現、ニューヨーク・マンハッタンの宝飾店街で被害金額400万ドルという史上最大の金強盗をやってのけ、400万ドル以上の金を強奪した。

しかし、ボスのアティアスが1990年1月に殺害されると、この「イスラエルマフィア」は崩壊に向かう。

ロン・ゴネンら数人のメンバーが情報提供者となったため、同年9月には残党が当局に逮捕されて壊滅した。

その後、イスラエル人の犯罪組織はエクスタシー密売で米国を騒がせるようになる。

2000年、米国税関の当局者は議会で「数十億ドル相当のエクスタシー取引が、イスラエルの犯罪組織によって製品製造から国際的な密売の段階になるまで制御されている」と指摘してイスラエルマフィアの猛威に警鐘を鳴らした。

サミー・グラヴァーノ

伝えられるところではニューヨーク・マフィアの五大ファミリーの一つ、ガンビーノ一家の元アンダーボスであるサミー・グラヴァーノが仕切っていたアリゾナ州の麻薬組織にエクスタシーを供給していたのはニューヨークに拠点を置くイスラエル人イラン・ザルガーであり、彼は1999年5月から2000年5月にかけて総額700万ドル相当のエクスタシー100万錠以上を卸していた。

後にイラン・ザルガーはアリゾナ州とニューヨークで3年間にわたり組織的に約400万錠のエクスタシーを密売した容疑で逮捕された。

別のイスラエル人オデッド・トゥイトは最大級のエクスタシー密輸組織のボスと言われており、彼はパリ、ブリュッセル、フランクフルトからニューヨーク、マイアミ、ロサンゼルスに何百万錠ものエクスタシーを密輸した容疑で2001年5月に逮捕された。

悪名を馳せるアバージル一家やゼーヴ・ローゼンスタインのシンジケートなどもイスラエル国内に拠点を置きながら、米国でのエクスタシー密売に関与し続けていたがそれはいつまでも続かなかった。

2006年にローゼンスタインはイスラエルで逮捕され、後に米国に引き渡される。

彼はフロリダ州連邦裁判所でエクスタシー薬を密売した容疑を認め、懲役12年の判決を受けてイスラエルで服役した。

ゼーヴ・ローゼンスタイン

2011年1月にはアバージル一家ボスのイツィク・アバージルとその弟メイル・アバージル、その他3人の容疑者もイスラエル国内で逮捕されて米国に引き渡された。

メイル・アバージル

被告に対する連邦起訴状に申し立てられたのは殺人、巨額の横領、マネーロンダリング、ゆすり、ロサンゼルスでの組織的で大規模なエクスタシー密売であり、同起訴状は計32件、77ページにも及んだ。

メキシコでの犯罪

イスラエルマフィアはメキシコでも犯罪を行っている。

2019年7月24日、メキシコシティのショッピングモールのレストランでイスラエルマフィアの組員が白昼堂々イスラエル市民を殺害。

犯人は後に逮捕されたが、この事件は麻薬戦争真っ只中のメキシコ社会にも衝撃を与えた。

出典元:ウィキペディア英語版“Israeli mafia”

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