にほんブログ村
某お客様で SD-WAN を導入したいという話がありました。そこでリバーベッドテクノロジー社の SD-WAN 製品であるSteelConnect EX を提案しました。
その時にいろいろと動作確認しましたので、メモとして残しておこうと思いました。
今回は、Controller の初期設定についてです。
にほんブログ村
Controller の初期設定
ヘッドノードの1つである Controller のインストールです。
リバーベッドテクノロジー社のサポートサイトから、OVA ファイルが手に入りますので、それをダウンロードし、ESXi にインストールします。
Controller には、最低3つのネットワークアダプターが必要となりますが、今回の構成では4つのネットワークアダプターで構成します。
OVA ファイルからインストールすると、ネットワークアダプタは1つしかありませんので、三つ追加しておきます。
- ネットワークアダプタ1
Management Switch に接続させます。これが North-bound になります。
- ネットワークアダプタ2
Control Switch に接続させます。これが South-bound になります。
- ネットワークアダプター3
インターネットに接続させます。インターネット越しに接続しにきたSDWANルーターにポリシーを適用します。
- ネットワークアダプター4
Logical WAN に接続させます。WANとして設定しますが、実際はLAN内のセグメントの1つです。
それでは、Controller インスタンスを起動させ、ログインします。デフォルトのログインアカウントは、admin/versa123 です。
ログインできました。
まず、インターフェースの設定を行います。これは、/etc/network/interfaces ファイルを編集していきます。
エディターソフトとしてvim がインストールされていますので、それを使います。
sudo vim /etc/network/interfaces
初期状態は、以下のように設定されています。
これを、以下のように編集していきます。
ここで設定するのは、eth0 の設定です。
eth0 は、Management Switch に接続されますので、私の環境では、10.100.3.0/24 のセグメントになります。
auto eth0
iface eth0 inet static
address 10.100.3.201
netmask 255.255.255.0
gateway 10.100.3.254
ファイルの編集が完了したら、:wq で保存します。
cat コマンドを使って、interfaces ファイルの内容を表示させて確認してみます。
cat /etc/network/interfaces
記入間違いがなければOKです。
次に、インターフェースの設定情報を表示させます。
ifconfig
eth0 には、まだIPアドレスが設定されてませんね。先ほどの設定内容を反映させる必要があります。
eth0 インターフェースをDownさせます。
sudo ifdown eth0
そして、eth0 インターフェースをUpさせます。
sudo ifup eth0
再度、インターフェースの設定情報を表示させてみます。
eth0インターフェースに、IPアドレスが設定されましたね。
ここでIPアドレスが見えない場合、interfacesファイルの記述が間違っている可能性がありますので、内容を見直してください。
Director のeth0が同じセグメントに接続されています。そのIPアドレスに対してPingを打ってみます。
ping 10.100.3.200
echo reply が返ってきましたね。通信可能ということです。
これで、Controller の初期設定は完了です。次は、Director とController を接続させて設定していきます。
Director からの設定
Director と Controller を連携させていきます。設定は全て、Director 上で行います。
Director のウェブ管理画面にログインします。
- Name: Controllerのホスト名を入力します。今回は「CTL-02」としています。
- Provider Organization: Director の初期設定の時に作成したOrganizationの名前をプルダウンメニューから選びます。
- Global Controller ID: 始めの Controller であれば、「1」が表示されます。通番で、Controller が追加される度に数字が上がります。
- Staging Controller: このコントローラーをステージング(SDWAN ルーターにコンフィグを渡す作業)で使用するため、チェックボックスにチェックを入れます。
- IP Address: Controller の Eth0 の IPアドレスを入力します。入力後、接続性チェックが走ります。エラーになった場合は、Director と Controller 間の接続性を確認してください。
- Analytics Cluster: Analytics サーバーをヘッドノードに追加する場合は、Analytic Cluster の名前をプルダウンメニューから選択します。
「Continue」で次に進みます。
次に、Controller の所在地を指定します。
住所を入力後、「Get Coordinates」をクリックすると、正確な位置情報が表示されます。
「Continue」で次に進みます。
Control ネットワーク向けのインターフェースの設定です。
- Network Name: Control Switch に接続されるインターフェースの名前です。eth1が使われます。
- Interface: vni-0/0 をそのまま使います。
- VLAN ID: 今回の構成ではVLANは使ってませんので、0のままにします。
- IP Address/Prefix: eth1のIPアドレスとサブネットマスクを指定します。
- Gateway: eth1のデフォルトゲートウェイを指定します。今回の構成では、特に必要ないので空白にしています。
- DHCP: eth1のIPアドレスをDHCPを使って動的アドレスで設定したい場合は、このオプションを有効にします。
「Continue」をクリックして次に進みます。
WAN インターフェースの設定です。
ここではNetwork Nameを指定していく必要があるのですが、初期状態は選択できるものがないため、最初に作成していきます。
画面右上の「+WAN Interface」をクリックします。
最初に作成するのは、「Internet」です。
- Name: Internet と入力します。
- Description: このWANインターフェースの説明を入力します。
- Transport Domain: プルダウンメニューから「Internet」を選択します。
「OK」をクリックして、設定を保存します。
次に、「Logical WAN」を作成します。
再度、画面右上の「+WAN Interface」をクリックします。
- Name: Logical_WAN と入力します。
- Description: このWANインターフェースの説明を入力します。
- Transport Domain: プルダウンメニューには「Logical WAN」がありませので、新規作成します。
「+ Transport Domain」をクリックします。
- Name: Transport Domain の名前です。ここでは、Transport と入力します。
- Description: このTransport Domain の説明を入力します。
- Transport Domain ID: 22 と入力します。
「OK」をクリックして、設定を保存します。
Transpor Domain のプルダウンメニューから、「Transport」が選択できるようになりました。
「OK」をクリックして、設定を保存します。
それでは、WAN interfaces を設定していきます。
vni-0/0:
Control ネットワークへの接続で使いますので、触らないようにします。
vn1-0/1:
インターネットに接続します。
- Network Name: プルダウンメニューから、Internet を選択します。
- IPv4 Address: インターネットへ接続するアドレスです。ここでは、11.0.0.2/24 としています。
- IPv4 Gateway: 上記IPアドレスのデフォルトゲートウェイのアドレスです。ここでは、11.0.0.254としています。
- Public IP Address: Inbound NATでこのインターフェースにアクセスさせたい場合は、ここにパブリックIPアドレスを指定します。今回は使用しません。
- WAN Staging: ステージングの通信を行いたいインターフェースであれば、このオプションを有効にします。
vni-0/2:
Logical WAN に接続します。
- Network Name: プルダウンメニューから、Logical WAN を選択します。
- IPv4 Address: Logical WANセグメントと通信するためのアドレスです。ここでは、10.100.6.201/24 としています。
- IPv4 Gateway: 上記IPアドレスのデフォルトゲートウェイのアドレスです。ここでは、10.100.6.254としています。
- Public IP Address: Inbound NATでこのインターフェースにアクセスさせたい場合は、ここにパブリックIPアドレスを指定します。今回は使用しません。
- WAN Staging: ステージングの通信を行いたいインターフェースであれば、このオプションを有効にします。
「Deploy」をクリックして、設定を適用します。
画面右下にプログレスバーが出力されますので、100%になるまで待ちます。
設定の適用が完了したら、画面右上のTasks(ベルマークの隣のメモ帳のようなアイコン)をクリックします。
ここに、ログが表示されます。
Controller のDeploy のログを確認します。エラーが出力されていなければOKです。
Administration > Appliances の順にクリックします。
アプライアンスのリストに、CTL-02の名前のController が表示されます。
Config SynchronizationとReachabilityが緑マーク、ServiceがUpになていることを確認します。
Controller にログイン
最後の仕上げです。
Controller に、コンソール、またはSSHでログインします。
Controller を再起動し、設定を反映させます。
sudo shutdown -r now
システムの起動が完了したら、Controller にログインします。
関連する記事:
- Cisco ルーターでリモートアクセス VPN の設定
- Mac OS で SSTP VPN を使う
- SD-WAN を試す (2) Controller のインストール
- Raspberry Pi 4 でサイト間 VPN を作ってみよう
- ダイナミックルーティングのためのGREトンネル
- CiscoルーターでのIPSec VPN設定ガイド
- SD-WAN を試す (1) Director のインストール
- リバーベッドのSD-WAN製品分析と実装メモ
最近の記事:
- 複数の宛先に ping を打つことができる「fping」
- ネイティブの英語 7 “A cup of joe”
- 死刑確定囚・野比のび太 – 第二十三話・昇華するのび太の鬱屈
- 死刑確定囚・野比のび太 – 第二十二話・静の怒りと武の苛立ち
- 死刑確定囚・野比のび太 – 第二十一話・夫婦間の亀裂とのび太の影響
- 死刑確定囚・野比のび太 – 第二十話・のび太の初出勤: 恐れと葛藤
- 死刑確定囚・野比のび太 – 第十九話・ジャイアンとのび太の絆
- 死刑確定囚・野比のび太 – 第十八話・引きこもりの息子と家族のジレンマ
- 死刑確定囚・野比のび太 – 第十七話・ドラえもんと30歳ののび太の葛藤
- 死刑確定囚・野比のび太 – 第十六話・剛田商店の成長と静香の貢献