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死刑確定囚・野比のび太 – 第十五話・武の運命のプロポーズ


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新たな一歩:武と静香の物語

静香と居酒屋で飲んでから、武は少しずつ彼女との距離を縮めていった。

最初は「久しぶりに話せて楽しかったよ」というお礼のLINEを送り、それが「今度またご飯でも行こう」という誘いに変わる。

静香も最初は遠慮がちだったが、次第に彼からの誘いを受け入れるようになった。

二人は少しずつデートを重ねていった。

武は、芝浦の自宅近くにある洒落たレストランや静香の好きそうなカフェを探しては誘い、静香は武の気遣いに少しずつ心を開き、武自身も気づかぬうちに彼女に夢中になっていく。

遊び慣れているはずの武だったが、静香といると不思議と冷静ではいられない、少年時代の初恋のような気分になっていた。

こんな感じになるのは久しぶりだ。

ある夜、二人は東京湾が一望できる高層階のレストランで食事をしていた。

窓から見える夜景の輝きは、静香の笑顔をより一層美しく見せている。

「静香、最近、元気そうだな。」

武がワイングラスを持ちながら言う。

「武がいろいろ誘ってくれるからかもね」

静香は少し恥ずかしそうに笑った。

「それならよかった」

武はその言葉にほっとしながらも、胸の奥で沸き上がる感情を抑えられない。

そして、とうとう口を開いてしまった。

「静香、俺……もっとお前と一緒にいたいんだ」

武は不器用な言葉で、彼女への気持ちを伝えたのだ。

静香は少し驚いたように彼を見つめたが、その目に宿る優しさが彼を安心させた。

「私も……武といると安心する。たぶん、昔から知ってるからかな」

静香はそう言って微笑んだ。

それから数か月後、武は意を決して静香にプロポーズをする。

場所は、二人が幼い頃によく遊んだ空き地のあった駐車場。

あの土管のあった場所だ。

彼女にとっても彼にとっても、その場所は、特別な意味を持っていた。

「静香、俺と結婚してほしい」

武は、大ぶりのダイヤモンドがあしらわれた指輪を差し出しながら、彼女に向き合った。

静香は一瞬驚いたが、次の瞬間、涙を浮かべながら「はい」と頷く。

その言葉は、武にとって、これまでのどんな成功よりも価値のあるものだった。

結婚式は、華やかに執り行われる。

会場は、芝浦の高級ホテルの大宴会場。

剛田商店の社員や取引先の関係者、そして幼馴染たちが集まり、二人を祝福する。

武の母は、父の遺影を持ちながら涙ぐんでいた。

「お父さんも、きっと喜んでいるわ」

そう言う母に、武は感謝の気持ちを込めて微笑む。

スネ夫夫妻や出木杉夫妻も出席し、それぞれのスピーチで二人の幸せを願った。

スネ夫は「俺たちが幼馴染だったからこそ、今日のこの日があるんだな」と冗談めかしながら語り、会場を和ませる。

また、人気漫画家となっていた武の妹が二人の馴れ初めや思い出を描いたイラストを披露し、笑いと涙が交錯する場面もあった。

結婚式の後、二人はモルディブへハネムーン。

白い砂浜とエメラルドグリーンの海が広がるリゾート地で、武は豪華な水上ヴィラを予約していた。

「さすが武、こういうところは妥協しないんだね」

静香が冗談交じりに言うと、武は「お前のためだからな」と照れくさそうに答えた。

二人は一緒にシュノーケリングを楽しみ、プライベートディナーで乾杯。

穏やかな波音の中で語らう時間は、二人の絆をさらに深めていった。

新しい人生の第一歩を踏み出した武と静香。

その日々は、過去の傷を癒し、新たな未来を築く希望に満ちていた。

続く

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