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「自分が愛されキャラだと勘違いしてるよな」
「全く空気読まねえし、普通におとなしくしててもウザい存在感なのに」
水道橋駅近くの、とあるインド料理店で食事をしていた際に聞こえてきた、すぐ近くに座っていた大学生風の青年二人の会話である。
他人の会話など本来興味がないが、すぐ近くで盛り上がり、声が比較的大きいので嫌が上にもその会話が耳に入ってきたのだ。
話していたのは彼らの学校にいる同級生のある女の子について。
論点は異性としての魅力ではなく、その痛々しい言動と暑苦しい存在感のようだが、観察対象としては相当面白いらしく、大笑いしながらその観察報告で盛り上がっている。
「“ね、ね、私って可愛いでしょ?”アピールが半端ねえし」
「自分が好かれてると思ってる嫌われ者はタチが悪いよ」
大学生にもなって情けない。
そんなにさわやかに他人の陰口を叩くんじゃない。
ウザいだの、嫌われ者だの同級生をこき下ろすなど実にレベルが低い。
そんな大学生による高校生レベルの話はハタから聞いていると、結構面白いのでちょっと聞いてみた。
その青年たちに煙たがられている女生徒、A子はそのズレっぷりがかなり目立って、学校で嘲笑の対象になっている。
彼らに言わせると本人はクラスのセンター的存在のつもりらしく、クラスの飲み会とか旅行とかに自分が誘われないと怒るという。
また、クラスでも華のある女の子グループである「一軍女子(最近ではそんな言い方するのか!)」たちとつるみたがるが、
傍目から見て彼女たちの中でA子は明らかに浮いているし、当の一軍女子たちからは距離を置かれているばかりか、「勝手に友達だと思われて困っている」ともこぼされている始末。
かなり勘違いした子のようだ。
こう言われている以上A子の容貌もある程度察しはつく。
あまり人口に膾炙したルックスではないってことだ。
だが、きっとA子は自分も華のある女性になりたくてなりたくてたまらないんだろう。
その辺の事情もふまえて、君たちもそれくらいでディスるのをやめたらどうか?
しかし彼らの話を聞いてると、そのA子は相手によって対応をガラリと変えるらしく、ルックスのいい相手には猫なで声を出すくせに、ネクラそうだったり地味な相手にはつっけんどんな態度を取り、「キモイ」だの「近寄りたくないだの」陰口を叩くというのだ。
ちょっと憎たらしくなってきた。
私も同じようなのを何人か知ってるからな。
青年たちも私も料理を食べ終わったが容赦ない口撃は続き、私も聞き耳を立て続ける。
「そういやこの前、傑作なこと言ってたぞ」
「何々?どんなこと言ってたの?」
「“私、どんだけ食べても太らない”ってさ」
「あいつ、もうすでにデブじゃねえか!!」
なかなか面白い末期症状じゃないか。
「あと、最近しゃべり方変え始めてるだろ。わざと舌足らずな言葉遣いしたりして、何か不思議系気取ってんのかな?」
「あいつの場合、不思議系じゃなくて不気味系にしか見えねえよ!」
「自分は童顔だとも言ってたしな」
「童顔っていうか、ジャック・マーって感じだろ」
彼らはしばらくA子の話で盛り上がって、料理の後に運ばれてきたドリンクを飲み終わった後もしばらくいろいろ言ってたが、他は何を話したか忘れた。
私も飽きてきたので、彼らが出る前に店を出た。
あんな話で盛り上がるとは、大学生のレベルも知れたもんだ。
あの青年たちも、A子も。
でも、私の大学時代もあんな程度だったな。
こんなおっさんになっても聞き耳立ててたんだから、私もレベルが低い。
道理で日本がこんな有様になるはずである。
彼らはどこの大学なんだろう?
水道橋ってことは近くに東大があるが、まさか東大生じゃないだろうな?
だとすればいよいよ日本が危ない。
ひたすら名も知れぬ三流大学の学生であることを祈る。
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