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歳をとるのは嫌だ。
二十代とかに戻りたいとは言わないから、せめて今の年齢のままでいたい。
いつから歳を重ねるのが嫌になったんだろうか?
たしか子供の頃は、誕生日が来るたびにうれしかった気がしていた。
早く大人になりたかったはずだ。
ほぼ大人の高校生くらいのお兄さんやお姉さんたちが、うらやましくはなかっただろうか?
大人になったら社会へ出て働かねばならず、ある程度の責任も求められて甘えが許されなくなるのは分かっていたが、それ以上に、子供だとできないことが大人になったらできるようになるのが大きかった。
酒やたばこなどの嗜好品、自動車の運転、パチンコ店や競馬場などのギャンブル、夜の怪しいお店…。
子供の目には、自分たちには許されない大人の世界は魅惑に満ちていた。
だが、そんな背伸びしてまで待ち望んでいた大人に一旦なってしまうと、今度は一転して歳をとるのが嫌になってしまう。
なぜだろう。
日本経済の将来性とか年金問題とか以前に、ごく自然な流れとして歳を重ねるごとに体は劣化して、自分の死も近くなることを悟るようになる。
そして、今はできても将来はできなくなることばかりになり、
子供の頃のように今はできなくても、将来はできるようになるモノも少ない。
どう考えても、老いることは不幸なこと以外の何者でもなく思うようになる。
だが、不幸なままでいいんだろうか?
もし、誰でも歳を重ねれば楽しめるモノが老後に待っていたらどうだろう?
退職後悠々自適とか孫の顔を見るとか、そんな程度のもんじゃない。
「歳を重ねてこそ人生」などと、開き直りだか強がりのような苦しい意識改革なんかでも決してない。
若者には許されないが、ある程度の年齢になったら許されるようになるモノがあったら?
子供たちにとっての酒やたばこのように、ちょっと味見することすら許されない魅惑の禁制品を嗜める権利が、例えば65歳になったら得られるようになったならばどうだろう?
少しは歳をとるのが嫌じゃなくなりはしないか?
そこで私は憚りながら今ここに、人類共通の不幸の一つである老いを幸福なことに転換させる一助となりうる施策を提言したいと思う。
それは即ち、現状での我が国の法律において全ての年齢層において禁止されている違法薬物の一つ、大麻の吸引を65歳以上から合法化することだ。
大麻の危険性は?
大麻とは、大麻取締法でいう大麻草「カンナビス・サティバ・エル」及びその樹脂を指す。
一般的には樹脂や乾燥葉をタバコに混ぜて、紙巻きタバコを用いて吸うが、吸引するとリラックスした幸せな気分になり、眠気、視界がよりはっきりし、音楽が心地よく聞こえるといった、いわゆる「ハイ」な気分になる。
しかし含まれる有害成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)は、幻覚作用や記憶への影響、学習能力の低下等をもたらすため、無許可の栽培や所持等は法律で禁止されている。
一方で、海外では北米を中心に大麻の再評価が進んでもいる。
マリファナ合法化、医療大麻の解禁、ヘンプ(産業用大麻)製品の拡大といった動きは「グリーンラッシュ」と呼ばれるほどの大きな潮流になり、約2兆円の市場ともなっている。
また、大麻が特別健康に害を及ぼすという科学的根拠も報告されていない。
つまり成人には合法とされているタバコよりも健康に与える害は少なく、依存性も低いとされる。
確かに前述のとおり記憶や学習能力など脳機能への障害が指摘されてはいるが、
すでに現役を退いていることが多い65歳以上の高齢者が吸引するようになっても社会的な影響は限られるはずだ。
大麻吸引のルール
合法になったからと、自宅や公園で自由にラリられては困る。
社会的な影響は甚大で、路上での飲み会や喫煙以上に迷惑だからだ。
また、街中で自由に売らせると、65歳以上に見えるマセた61歳や58歳が買いに来るかもしれない。
タバコや酒だって、16歳くらいの奴でも20歳以上だと言い張れば買えるんだから、あり得ないはずがない。
よって、大麻吸引は厳重に管理された公的な施設内のみで許可されるものとし、販売もそこでしか行われない。
利用者は65歳以上であることを証明できる免許証やマイナンバーカードの持参が義務づけられるのは言うまでもなく、飲酒と同じく運転にも影響を与えることから、自家用車で施設に来てはいけない。
また、大麻は必ずその施設内で消費せねばならず、外部への持ち出しは禁止する。
自宅に持ち帰らせたら、必ず65歳未満に譲ったり売ったりする者が出てくるだろうからだ。
吸いすぎて完全な中毒になられるのも具合が悪いから、回数も制限すべきだろう。
また65歳以上に解禁したからといって、大麻の闇市場が大幅に縮小するとは考えられず、制限回数を超えて我慢できなくなった高齢者に施設外で売る者や、私的に買ったりする不心得者の高齢者も出てくるかもしれない。
そういう輩に対しては、大麻取締法で厳重に処罰するものとし、権利の範囲を超えた乱用や違法行為は断固許さない姿勢を示すべきである。
75歳以上になったら?~加齢に伴う段階的違法薬物合法化政策~
こうして65歳になって、晴れて大麻を味わえるようになるが、70歳くらいになるとまたぞろ「これから先には何もない」とか思い始め、歳をとるのがまた嫌になってくるかもしれない。
だったら、また追加で用意してやろうじゃないか、歳を重ねることの醍醐味を!
75歳になったら大麻に加えてエクスタシーやLSDも解禁する。
吸引や販売はもちろん大麻と同じく公的な施設内で行い、利用回数なども制限を受けるし、75歳未満厳禁は言うまでもない。
ただし、大麻と違って健康に対する影響がかなり深刻なので、医師の許可を得られたことを証明する書類の提出などを義務づけたいところだが、あくまで本人の自己責任としよう。
85歳まで生きたら覚せい剤だ。
ここまで来るとさすがに施設内で死亡する利用者も出てくるだろうが、明らかに健康に害があり、摂取すると命の危険にさらされる者でも、街中で買おうと思えば買える酒やタバコと同じと考えよう。
酒やタバコ同様、過度に摂取して健康を損なうのは自分の責任であるべきだ。
そして晴れて95歳を迎えたら、違法薬物の王様ヘロインやコカインを許可する。
断っておくが、前述の大麻やエクスタシーなども含めて、無理やり吸引させるわけではない。
あくまで「やってもいい」のであって、実際に吸うか否かは本人の自由意志だ。
この年齢だとヘロインやコカインは明らかに危険極まりないが、試してみることを選択した以上、名実ともに昇天したとしても、思い残すことがあったとは言わせない。
老いる不幸からの解放
私は少子高齢化に対処するために「出生数を増やすより高齢者を減らした方が現実的」などと、冷酷なことを主張しているわけでは決してない。
私だってこのまま死ななければ、高齢者になるんだからな。
私は自分自身も含めた世の全ての人々が抱える「老いる不幸」からの解放を提案してるのだ。
初体験は人生の醍醐味の一つと私は信ずる。
それがなくなってしまうと、生きている意味が見出せない。
何もかも分かった気になって、ロクな初体験が残らなくなるのも老いが不幸となる大きな一因ではなかろうか。
だが、危険な魅力的に満ちた初体験が誰に対しても歳を重ねた先に待っていたら、加齢も少しは悪いことではなくなるはずだ。
65歳未満が65歳以上を、幼稚園児が小学生や中学生を見るような羨望のまなざしを向け、「早く65歳になりたい!」と思うようになることは、「歳をとりたくない」と考えることより、ずっと幸福なことではないだろうか!
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