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ステルス攻撃機及び米国への中二病的願い

F-117ナイトホークをご存じだろうか?
ステルス攻撃機として知られる同機はレーダーに映らず湾岸戦争で大活躍した。

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久々にプラモデルを買った。

これから作ろうとしているのはタミヤの『傑作機シリーズ』アメリカ空軍のF-117だ。

このF-117は有名な米軍のステルス攻撃機。

その独特の未来的な形状もさることながら、実戦での威力が実証済みの兵器のみが備える危険な機能美と風格が感じられ、プラモデルの題材として魅力的である。

完成した暁にこれを飾れば、私の小汚い部屋の格もきっと上がるであろう。

それに、私はF-117に少々個人的な思い入れがある。

F-117、通称ナイトホークはアメリカ合衆国が開発した世界初の実用的ステルス攻撃機、レーダーに映らず対空ミサイルによる迎撃不可な攻撃機とされる。

1976年から開発が始まり、1981年に初飛行に成功。

1982年には部隊配備が始まったが、その詳細ばかりか存在自体までがアメリカ国防総省によって長らく極秘扱いとされていた。

そんなステルス攻撃機F-117がようやく公開されたのは1988年11月のことだった。

初の実戦参加は1989年のパナマ侵攻作戦で、この際の戦果は思わしくなかったが、1991年の湾岸戦争ではイラク軍相手に猛威を振るう大活躍を見せた。

1999年のコソボ空爆にも参加したが、この作戦で一機が撃墜されてしまう。

2008年、同じく高いステルス性を持つF-22、B-2が配備され、将来的に高い機動性を持つステルス戦闘機F-35も配備される予定であること、メンテナンスの時間やコストがかかりすぎることを理由に退役した。

以上がF-117のたどった経緯だが、私は同機を報道によって目の当たりにした時の衝撃をよく覚えている。

F-117がプレスリリースされた1988年(昭和63年)、私は中学校二年生だった。

その既存の軍用機とは一線を画する未来的でインパクトのある形状を見た当時の私は、こう確信した。

この機の主力兵器はきっとレーザーガンだろう

そしてその主戦場は宇宙空間であり、空中静止もお茶の子さいさい、速度だってマッハ5くらいは固いはずと。

スターウォーズなどのSF映画にそのまま出て来ても違和感がない外見をしているではないか!

それくらいやってもおかしくなさそうな機体に見えた。

東西冷戦がまだ終結していない頃だったが、このステルス戦闘機の仮想敵はソ連軍などの地球上の軍隊ではなく、異星人に違いないと思った。

当時の私は中二病真っ盛り。

矢追純一のUFO特番の影響を大いに受けていた私は、核戦争の脅威や環境破壊よりも異星人の地球侵略を心配しており、たびたび目撃されるUFOと世界各国の空軍戦闘機との性能の差に危機感を抱いていた。

しかし米国は違う。

UFO特番でも放送されていたように、異星人と密約を結ぶ一方で万が一の対決にも備えており、表向きはソ連の核ミサイルに対抗するためとして、UFOを宇宙空間で迎撃するための『スターウォーズ計画』を策定するなど、日本政府が及びもつかないようなことをやってのける国なのだ。

だいたい、映画でも異星人の侵略など地球規模の未曽有の脅威に真っ先に立ち向かうのは米軍と相場が決まっている。

また、現実にもそうなるであろうと信じていた。

その米国がやっぱり期待に応えてくれた。

さすが米国、地球上で一番頼りになる国だ。

だが私の期待むなしく、F-117はレーザーガンどころか爆弾しか積んでおらず、宇宙空間は飛べないし空中静止もムリ、速度だってマッハ1すら出せやしない。

UFOとの空中戦はおろか、既存の戦闘機とドッグファイトしたら返り討ちに遭ってしまうことがその後の報道で分かった。

唯一の取り柄はレーダーに映らないことで、それは爆撃される側にとって相当ヤバいことなのだが、その時にはそんなことに思いもよらず大いに失望した。

私的には完全に見かけ倒しだったのだ。

画期的な兵器であることは私が高校一年生の時に起こった湾岸戦争で証明されたが、要はレーダーに映らないから迎撃を受けることなく爆弾を落とせるだけなんだから、余裕でマッハ5のスピードが出せるUFOの相手になりそうもない。

地球は終わりだ、と絶望した。

あれから幾星霜。

結局異星人は攻めてこなかったし、老後などの自分自身の身の振り方を別にすれば、地球環境の悪化や隣国C国の覇権主義の方が異星人よりよっぽど脅威だと、さすがの私でもわかる。

一方の米軍は地球外の敵に関し、海軍機が撮影したUFOの映像を公開するなど少しは考慮に入れてはいるようだが本格的とは言い難い。

今世紀初頭からテロとの戦いと称してアフガニスタンやイラクなどで軍事行動を行い、近年はトランプ大統領の下で段階的に撤退しつつ本格的にC国に対抗する準備を始めており、まだまだ目線はほとんど地球上だけを向いているように見える。

だが私は現在、このF-117のプラモを組み立てながら心のどこかで期待している。

米国は今でも我々の知らない場所、宇宙空間などで異星人と秘密戦争を戦っていることを。

そして退役したと見せかけたF-117攻撃機が今も現役で、公開された以上の性能を持っており、最前線で戦っていることも。

私の中二病はまだ治癒していないようだ、ひょっとして一生このまま?

それと私のプラモデル製作の腕前も中二どころか、小二の時から変わらんようだ。

なぜ私がプラモを作りだすと、いつもパーツが何個か無くなるのだ?

これじゃ完成できぬではないか!

私のF-117は結局未完成のまま、癇癪を起した私によってゴミ箱に墜落した。

やっぱり少々高くても完成品を買おうか。

タミヤ『傑作機シリーズ』

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