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だいぶ以前のことではあるが、2006年12月16日、NHK放送総局ライツ・アーカイブスセンターのアーカイブス部に勤める山之内祥徳(当時30歳、仮名)という男がJR総武線内で痴漢を行ったとして、都迷惑防止条例違反で逮捕された。
NHK職員の不祥事自体は、時々報道されるから別に珍しいことではない感がある。
しかし、この山之内というNHK職員の男が犯した痴漢行為はやや特殊だった。
彼が痴漢した相手は大学生の青年、つまり男だったのだ。
しかも、この事件の捜査関係者によると「女性と間違えて触ったわけではない」らしく、はじめから男と分かってやっていたのは間違いないため、完全無欠のホモ痴漢である。
調べによると、12月16日午後7時30分ごろ、仕事が休みだった山之内は、御茶ノ水から浅草橋間を走っていたJR総武線車内で吊革につかまって立っていた男子大学生(19歳)の尻を、後ろから約三分間にわたって触り続けたという。
当時朝のラッシュアワーと違って、車内はさほど混んでいない状態だったから、大胆不敵である。
しかし、あまりにも露骨な犯行であったため相手の大学生に取り押さえられてしまい、浅草橋駅の駅員に突き出されて御用となった。
山之内は取り調べに対して容疑を素直に認め、「不眠症で薬を飲んでいて、頭がボーとしていた」と供述したが、そんなものが言い訳になるわけはない。
この事件はすぐさま明るみに出て新聞各社に報道された結果、彼はNHKという鉄板の職場を追われた。
一見自業自得で救いようがないように見えるこのNHK職員によるホモ痴漢事件だが、背後にはちょっとした闇が存在していた。
それは後日、某スポーツ紙の取材に加害者の山之内自身が応じたことにより、以下のとおり明らかにされた。
被害者の大学生の正体と真相
この痴漢被害に遭った被害者の大学生だが、ただ者ではない。
それは、アメリカンフットボールをやっていたという身長180cm体重120kgの巨漢であったことだ(ラグビーだったという報道もある)。
そして、もっとただ者とは言い難かったかったのは、
デブ専のゲイ雑誌のモデルをしており、その筋では知られた存在だったことである。
山之内本人が言うには、どっぷりその筋の人間である彼は、相手の大学生に出くわして何者であるかすぐに気づいた。
山之内は、生で見るその圧巻の“グラマー”さにそそられるあまり、思わず大胆にも“アプローチ”をかけてしまったのだ。
睡眠薬を飲んでいてほぼ酩酊状態だったことも、そのスケベ心(?)の暴走を助長した。
とはいえ、相手がそんな雑誌のモデルだからといって、無断で尻を触るのは犯罪行為以外の何者でもなく、許されるものではない。
後に取り押さえて突き出した以上、その大学生も不快に感じていたのだろう。
しかしあくまで山之内の言い分なのだが、いきなり取り押さえられることなく、そのまま三分間と比較的長時間犯行を継続することができたのには理由があった。
その大学生は、山之内に触られるや拒絶するどころか、何と尻をグイグイ突き出して挑発。
“アプローチ”に対して濃厚かつ熱烈に返答し続けたらしいのだ。
「おお!こ、これはイケる!」
この時、山之内はあこがれの相手からの思わぬ好感触に興奮して、さらにアプローチに力がこもった。
御茶ノ水駅から浅草橋駅までのその三分間は、睡眠薬の効果も手伝って、さぞかし夢心地であったことだろう。
しかし、その短く美しい夢は浅草駅到着とともに覚まされ、長い現実の悪夢が始まることになる。
「てめえ何しやがんだ!!」
駅に到着するや否や大学生が突然豹変、尻をなでまわしていた山之内の腕をつかんでねじ上げたのだ。
体重100kgを超す巨漢だから力も半端ではない。
「え、ええ!?」
「降りろ!この変態野郎!!」
何ごとかといぶかしむ乗客の好奇の視線を浴び、何が何だか理解が追い付かない山之内は、大学生に罵られながら羽交い絞めにされて電車から引きずり出され、駅員室に引っ立てられた。
踏んだり蹴ったりの山之内
山之内は、相手もその気になっていたように見えたからこっちも触り続けたんだと主張したが、後の祭りだった。
触ったのは事実なので、言い逃れのしようがないのだ。
そして大学生は、精神的苦痛を感じたと主張して譲らず、告訴すると脅してきた。
それはまずい。
痴漢の被害者に告訴されれば、たとえ相手が男であっても、有罪は必至。
そうなれば、今のNHK職員というおいしい身分を失うのは間違いない。
それを見越したのか、大学生の方は示談金を払えば告訴しないとしてきたが、提示してきた金額は数百万円と法外なものだった。
ずいぶんお高くとまった尻である。
しかし、山之内は職を失いたくないばかりに、泣く泣くその金を支払わざるを得なかった。
だが結果として、この事件はあっという間に露見して、翌々日には、マスコミ各社に報道されてしまう。
山之内はNHKで立場を失い、退職を余儀なくされた。
「はめられた!最初からそのつもりだったんだ!」
そう記者にまくしたてていた彼だが、相手側の悪意を立証することは不可能である。
高額の金をふんだくられた上に、ホモ痴漢として全国に名前をさらされて、職まで追われたんだから、まさに踏んだり蹴ったりだ。
“悪女”の手口は、男だって使えるのである。
“魔性の男”のハニートラップに引っかかった山之内は、反省はしていないようだったが、後悔は十分すぎるほどしていることだろう。
世界には、どんな片隅にも危険な罠が潜んでいるようだ。
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