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キレる中高年に若者が下した非情な鉄槌


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最近、いい歳こいた中高年がキレやすくなっているようだ。

キレると言えば、血気盛んな若者というイメージだったが、今では分別がついてしかるべき年代のおっさんやじいさんが駅や公共の窓口などで些細なことから暴言を吐いたり大声を出したりすることが多くなってきているらしい。

また、暴言にとどまらず直接手を出してしまうケースも多い。

社会環境の変化とか、老化により感情のブレーキが利かなくなってきたからとか専門家がいろいろ論じているが、情けないことには変わりがない。

精神的に未熟で怖いもの知らずな若者が暴れる方が、まだ健全な社会であるような気がするのは私だけだろうか。

どちらにせよ、どんなことがあっても中高年の男性が公衆の面前で自分勝手な理由からキレるのは断じてあってはならないと私は断ずる。

それはハタ目から見て、見苦しいからだけではない。

キレた相手によっては、とんでもない目に遭うからである。

私自身もかように見苦しくキレまくる中高年に出くわしたことがあるのだが、これからお話しするその男の場合、キレた彼にキレた者の出現により、公開処刑されてしまったのだ。

オラつく五十男

あれはまだ、コロナが流行する前の朝の通勤ラッシュ時。

最寄り駅のO線K駅から各駅停車に乗って、通勤快速に乗り換えようと二駅先のS駅で降り、ホームで電車を待つ客の列に並んでいた際のことだ。

S駅に通勤快速がやって、来てドアが開いて乗っていた客が降り、私も含めて入れ替わりで待っていた客が乗り込もうとしたとたん、電車の中から突然、大きな怒声が響いてきた。

「オラ!まだ降りる人間がいるんだよ!!」

大声で吠えたのは、背が高い五十代前後の男である。

特にガラの悪そうな感じではなく、背広にネクタイ姿の普通のサラリーマン風だったが、そのオラつき方は、ヤカラそのものだった。

「どけよ!!」とか「目障りなんだよ!」とか威嚇しながら、いらだった様子で、満員の車内の乗客や乗り込もうとしていたホームの乗客を強引に押し分けて出てくるのだ。

運悪く彼の進路に立っていた弱そうな中年男性は「邪魔だボケ!」と怒鳴られてどかされていた。

何なのだこいつは?いい歳のくせに、大声出してチンピラ気取りおって。

朝っぱらから気分が悪い奴だ。

電車から降りることに成功した五十男だが、その機嫌は収まらない。

「どけっつってんだろ!!」

と、今度はホームから電車に乗り込もうとしていた客の一人である男性に、勢いよく肩をぶつけた。

周りの客は道を開けたのに、その男性だけは、自分の前に立ったまま譲ろうとしなかったからだ。

ぶつけられた勢いで、半身をのけぞらせたのは若い男。

五十男を振り返った顔を一瞬見た感じでは、大学生風の大人しそうな風貌であった。

だが、次の瞬間にその若い男が示した反応は、嫌な気分になった我々通勤客を、今度は凍り付かせることになる。

公開処刑の開始

「待ちやがれ、このボケ!!!」

肩をぶつけられた若者が五十男より大きな声で、何より周囲を震え上がらせる凄絶な怒声を発したかと思うと、不機嫌そうに立ち去ろうとする五十男の襟を、後ろからつかんで一気に倒した。

さらにホームに倒された五十男のネクタイをつかみ、なおかつ膝を腹に乗せて完全に動きを制すると、もう片方の腕に体重を乗せた感じで、首に押し付ける。

「何だテメー!」

不意討ちを食らった五十男も、負けじと若者の胸倉を下からつかんで抵抗を試みていたが、威勢がよかったのはここまでだった。

抑え込まれた上に、首に押し付けた腕にさらに体重を乗せられ、「ぐぐぐ」とかうめき声を出して、苦悶の表情を浮かべる。

五十がらみとはいえ、身長が高くてそれなりに体力もありそうな男を、ここまで一方的に制するとはかなりの強者だ。

だが、厄介なことに、この若者はかなりの危険人物でもあった。

「ナメてんのか?相手選べよコラ!!」とか、

「死にてえなら、やってやんぞ!オイ!」とか、

五十男を抑え込みながら、はるかに年齢が上の男を、かなりドスのきいた声で脅すのだ。

いかにも、こういうことを何度もやってきたような手慣れた感じでもある。

五十男も、ケンカを売った相手を間違えたのに気付き始めたらしい。

若者の圧倒的な腕力と迫力を前に抵抗できなくなって、されるがままになりつつある。

しかし、素直に屈服するのはプライドが許さなかったようだ。

「仕事行くんだよ…、放せよ…」

素直に謝ればいいものを、泣きが入り始めたのをごまかそうとしている。

苦しそうな顔と漏らした言葉の調子からは、もうさっきの威勢の良さは微塵もない。

ここまでだったら、年甲斐もなくオラついた男が若きホンモノに退治された痛快な出来事を目撃したとして、気分よく職場に行けただろう。

だが、違った。

ゴン!!

五十男が苦し紛れの言葉を吐き終わるや、若者はその顔面に渾身の頭突きをかましたのだ。

こちらにまで、音が聞こえるくらいの勢いで。

「ぶぶ~!」

とか言って、鼻に打撃をもろにくらったらしい五十男は、顔を押さえた。

その手の間から、みるみる血があふれ出す。

「傷害だぁ…、傷害事件だぞぉぉ~~」

顔を押さえながら声を裏返らせて、もう完全に泣きが入ったみたいだ。

いくら傍若無人な態度で他人を不愉快にした相手とはいえ、若者もこれはやりすぎだろう。

周りの乗客はもちろん見ているだけで、駅員もオロオロして止めに入ろうとはしない。

私も、その一人であったことを告白するが。

「ケンカしてえんだろ?なあ?オイ!聞いてんだろ!!」

一方の若者は、なおもネチネチと脅し続ける。

もうすでにソロのオヤジ狩り。

ハイエナがライオンにやられているようなもんでもあり、嫌な食物連鎖でもある。

私はこのままずっと見ていようかとも思ったが、仕事に遅れそうだし、あの若者が今度は私に「何見てんだ」とか絡んできたらたまらないので、次の電車に乗った。

電車に乗り込む際、後ろから、

「あん?ゴラァ!!オイッ!!」

と、若者が五十男をいびり続ける声が耳に入ってくる。

ドアが閉まって電車が発車しても、ホーム上の客も車内の客もみんなそちらの方向を見ていたからまだまだ続いているようだった。

ヤバい光景を見てしまった。

あの五十男も元々気が短いんだろうが、本当にヤバい奴と渡り合うのは、未経験だったはずだ。

ホンモノを相手にしてしまい、あっという間に制圧されて、ねちっこくシバかれ続けて、明らかにビビッていたからな。

あんなことをされた以上、心的外傷ストレス障害まっしぐらで、もう公衆の面前で怒声を張り上げることは、終生できんだろう。

というか、もうS駅で降りることも、電車に乗ること自体が怖くなってしまったんじゃないか?

同情する気は全くないが。

中高年は若い男にケンカ売っちゃだめだ、とも心底思った。

若い男は若い女ほど可愛らしい存在ではない。

こちらを圧倒する体力があって、その気になれば、こちらを素手で殺せるはずだからな。

そして何より、世の中高年の紳士諸君もどんなにイラついても年甲斐もなくオラつくのは、やめた方がよいだろう。

「うるせえオヤジだ」とかムカついて、突っかかって来る若者もいるかもしれないから。

あのS駅での事件が、その後どうなったかは知らない。

最初の方は嫌な気分になった後で面白いことになったけど、最後の方でドン引きしたが。

何より、大勢の人の前で男廃業させられた五十男に合掌。

助ける気が全然起きなくて、誠に申し訳ない。

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ノンケ禁制!ハッテン駅の恐怖


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男性同性愛者が出会いを求めて集まる場所をハッテン場というらしい。

そこは性的少数者たる彼らの侵すべからざる聖域であり、同時に異性愛者であるノンケ男子禁制の魔界でもある。

私が大学生だった90年代後半の A 県 N 市内においても、そんな知る人ぞ知る秘密の薔薇園が存在した。

地下鉄 H 線の I 駅改札前の広場である。

私には今も昔もそんな趣味はなく、当時はそこがそんな場所だということ自体知らなかった。

それを否応なしに知ったのは、そこに何度か足を運ぶ羽目になったからだ。

私が大学5年生の時(1年留年した)、よく仲間内の飲み会に誘われたのだが、待ち合わせ場所がよりによっていつもそこだった。

最初の頃は私もそういう場所だと気づくことはなかったが、回を重ねるごとに時間通り来なくなるメンバーが増えてきて、四回目くらいの時に私もその理由を問答無用で思い知ることになった。

ナンパされたからである、男に。

正直、ナンパなんてお上品なもんじゃなかった。

その日時間に律儀な私は時間前に到着、ひとりで他の飲み会参加者が来るのをベンチに座って待っていたら、

「お待たせ!」

とか言って、いきなり見知らぬ男がすぐ隣に座ってきて、肩を組まれて股間に手を伸ばされたり、歩き回っていたら、

「だーれだ?」

と後ろから別の見知らぬ男に手で目隠しされたりしたのだ。

目隠しされた時はてっきり他のメンバーが来たかと思って、

「おせーよ。いつ待たせんだよ」

と言ってしまい、

振り返ってみれば、全く他人のヒゲヅラのごつい男。

最悪な勘違いをさせてしまい、おまけになかなかあきらめの悪い男だったので数百メートル以上追い掛け回され、変質者に狙われた女性の恐怖を心の底から理解した。

身の危険を切実に感じた私は、I 駅構内は危険だと判断。

とりあえず逃げ込んだのは交番ではなく、I 駅を出てほど近い O 野書店という本屋だった。

携帯電話がまだ一般的ではなかった 90年代後半だったので、待っている相手が今どこにいて、いつ来るかもわからない。

だからその O 野書店からなら集合場所たる駅の改札前が見え、誰が来たか分かるというのもあったが、

男に狙われるというおぞましい体験をしたばかりなので、口直しにエロ本でも読んで嫌なことを忘れようともしたのだ。

そう思って雑誌コーナーへ向かった私だったが、顔面蒼白になり凍り付いた。

ゲイ関連の雑誌や写真集の比率が異様に高かったのだ。

18禁とかそんなレベルを超越している。

近くの場所が場所だけに、その特殊な需要をもろに当て込んでいたらしい。

ジャニーズ系の美男子モノに、体育会系のマッチョ系などの正統派だけではなく、デブ専や老け専などのキワモノまで、ゲイ向けの書籍はこんなに種類があるなんて思いもしなかった。

同時に、こんなモンを読んで興奮している人間が、この世にいるなんて考えたくもない。

  • 「豊満」なんて雑誌は、ハゲで腹の出たオッサン同士が絡み合っているし、
  • 「全日本熊大全」という写真集は、毛深くてごつい男のヌード写真が目白押し!
  • また、和彫りの紋々の入ったヤクザ風の男のヌード写真集もあった。

異性愛者の中でスチュワーデスや女子高生などの特定の属性を専門に好む者がいるように、極道フェチの同性愛者もいるらしく、それらの人々にとって暴力団事務所は、きっとセクシーな男たちが集う薔薇の花園なんだろう。

その中の一員になりたいか、監禁されたいと願っている者も多いのかもしれない。

「Gメン」なる雑誌は体育会系のマッチョ専門で、その中では、ラグビー部や柔道部は新入部員以外全員ゲイであり、そんなの読んでいると、ラガーマンや柔道部員を偏見の目で見るようになりかねない。

あと、この雑誌の記事の中にしょっちゅう出てくる「SG 体型」の「SG」って何だろう?

頻出していることから、この読者層が最も理想とするモテ筋の体型らしいが。

スーパーグレートか?セクシーグラマーかな?何だろうな?と思ってたら、あるページの下の方に「SG とは何か?」を説明する注釈があった。

スーパーガッチリ。

分厚い筋肉の上に脂肪がついた、重量級の柔道部員やラガーマンのような体型を指すみたいだ。

何だよ、くだらねえ。

て…、俺も読みまくっとるじゃないか!

そしてその雑誌コーナーで、ゲイ雑誌を立ち読みしている者は私以外にもいた。

これはまずい。

同好の士と思われてナンパされかねない、I 駅に負けず劣らぬ危険地帯であることが分かり、そこからもそそくさと退散した。

結局、飲み会の他のメンバーは、約束の時間をずいぶん過ぎてからようやく現れた。

それも連れだってだ。

私一人をこの恐怖の場所で待たせてたってか!

私が今までどんな怖い目に遭ったか怒り心頭で抗議すると、どうやらナンパされたことがある者もいたらしく、時間通りに来るのが怖くなり、みんなホームで待ち合わせてたという。

だったらこんな所で待ち合わせをするのをやめるか、こういう危険があると同じ学校に通っているんだから、教えてくれてもよかったじゃないか!

「なかなか言い出せなかった」とか言って、お前らが黙っていたおかげで、こっちも怖い目に遭ったんだからな!

それから I 駅での待ち合わせはタブーとなり(もう遅かったが)、と言うか I 駅自体を利用したくもなくなった。

あそこは異性愛者にとっては、地獄のような場所以外の何者でもなかったからな。

「知っていて損はない」と言う言葉はウソだ。知らなくていいことを嫌と言うほど知らされた私は、切実にそう思っている。

最後に、差別主義者のそしりを受けることを承知で言わせてもらう。

近年性の多様性を尊重しようと、彼ら男性同性愛者をはじめとした性的少数者に理解を示す社会的な動きがある。

私も世間一般の性的嗜好とは異なるそれら性的少数者の存在自体を、社会から完全に排除したいとまでは思わない。

だが、距離を置いた棲み分けはしたい。

それは、私の尻や股間に熱視線を注ぎ、あわよくば蹂躙を企んでいる可能性のある者との近距離での共存は、お断りだからだ。

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