『カルビーポテトチップス』を無性に食べたくなる発作が時々起こる。
食べたくなるのはもちろん『うすしお味』。
幼少の頃から親しんだ、単純だが安定感のあるあの味だ。
私の中で『カルビーポテトチップスうすしお味』を上回るポテトチップは存在しないし、今後も現れないだろう。
ポテトチップの永遠不変の決定版であり、
スナック菓子における『スーパーカブ』か『AK47』的存在だとすら思う。
この“『カルビーポテトチップス』を無性に食べたくなる発作”だが、
『カルビーポテトチップスうすしお味』を食べれば当然症状は収まる。
だが、発作を鎮めたとしても後に残るのは充足感ではなく、後味の悪い満腹感だ。
やはり、健康に対して好ましいものでは決してないからな。
この発作を抑えるための療法のおかげで最低5年くらいは健康寿命が縮んでいるはずで、 「余分なカロリーを摂取してしまった」「また無駄金を使ってしまった」などと気に病む精神的副作用も深刻である。
それでもこの発作は何の前触れもなく急激に発症し、
私はその度に即効性のある対症療法を施してしまっている。
最近、そんな私の急性発作を激しく誘発し、重症化させる写真をネットで発見してしまった。
それはこれである。
カルビーポテト丸!
何というまんまであろうか!!
これを初めて見た時は勤務中だったが(たまたま息抜きに検索しただけだ)、まんますぎて問答無用で食べたくなったために職場を抜け出してコンビニに行ってしまった。
この文章を書いている現在もポテトチップスを食べながらである。
じゃなきゃ、何の症状も発現させずに冷静に書けやしない。
私と同じ症状に苦しむ方々の中にも、これを見て発作を起こしている方は少なくないことだろう。
このカルビーポテト丸、むろん車両や原油を運ぶ船ではない。
文字どおりカルビーポテトチップスの原料となるジャガイモを運ぶことを主任務とする馬鈴薯運搬船なのだ。 同船の貨物室はジャガイモを運ぶために断熱構造や換気・空調設備を有し、定温輸送する能力を持つ。
毎年夏から冬にかけて、産地である北海道の十勝港からカルビーの工場のある広島港又は鹿児島県の谷山港に向けてジャガイモを輸送している。
現在のカルビーポテト丸は三代目で、所有者はエヴァラインという海運会社となり、船名は『ポテト丸』に改称された。
『ポテト丸』はコンテナに積んだジャガイモを約850トン輸送可能で、
オフシーズンにはプラントなどジャガイモ以外の貨物も運んでいるが、主な荷主はもちろんカルビーで、ジャガイモ運搬が本分であることに変わりはない。
『カルビー』という枕詞こそ消えたが、『ポテト丸』だけでも十分殺し文句である。
この文章を書いている途中でも、ソッコーで一袋開けてしまった。
私の重症化してしまったこの病、東洋医学的に根本から治す必要があるようだが、カルビーポテトチップスうすしお味も食べられない辛い後半生を送るつもりもない。
完治させる必要もないだろう。
対症療法をも含めた併用療法で対処し、病と適度に共存もいいじゃないか。
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