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複数の宛先に ping を打つことができる「fping」


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Windows には「Exping」という便利なツールがあるのですが、ExpingはLinuxでは使えません。でも、Linuxには「fping」があります。今回は、「fping」の使い方をまとめてみました。

fping のインストール

「apt install」でインストールできます。

$ sudo apt update
$ sudo apt install fping

ping の使い方

基本的な使い方は、1つの宛先に対して ICMP Echo Request を送ります。通常の ping と同じです。

ICMP Echo Reply が返ってこれば「xxxx is alive」、返ってこなければ「xxx is unreachable」と表示されます。

KKIntt@jackson:~$ fping 172.16.26.1
172.16.26.1 is alive
KKInt@jackson:~$ fping 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
172.16.26.5 is unreachable

もちろん、IPアドレスだけでなく、ホスト名を指定することもできます。

KKInt@jackson:~$ fping www.yahoo.co.jp
www.yahoo.co.jp is alive

宛先の複数指定

単純に、ICMP Echo Request を送信したい宛先を並べて指定します。

KKInt@jackson:~$ fping 172.16.26.1 172.16.26.2 172.16.26.4
172.16.26.1 is alive
172.16.26.2 is alive
172.16.26.4 is alive

範囲を指定しての宛先指定

-g オプションを使うことで、指定した範囲の IPアドレスに対して ICMP Echo Request を送信することが出来ます。

以下の例では、172.16.26.1から172.16.26.5までを範囲として指定しています。そのうち、4オクテッド目が3と5のIPアドレスからはICMP Echo Reply が返ってていません。

KKInt@jackson:~$ fping -g 172.16.26.1 172.16.26.5
172.16.26.1 is alive
172.16.26.2 is alive
172.16.26.4 is alive
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.3
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.3
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.3
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.3
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
172.16.26.3 is unreachable
172.16.26.5 is unreachable

サブネットマスクを指定しての宛先指定

-g オプションを使用すると、サブネットマスク単位で ICMP Echo Request を送信する範囲を指定することも出来ます。

「172.16.26.0/29」を指定する場合は、以下のように指定します。

最初の 172.16.26.0 はネットワークアドレス、最後の172.16.26.7 はブロードキャストアドレスになるため、「172.16.26.0/29」の場合、172.16.26.1 – 172.16.26.6 がPing の対象となります。

KKInt@jackson:~$ fping -g 172.16.26.0/29
172.16.26.1 is alive
172.16.26.2 is alive
172.16.26.4 is alive
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.6
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.6
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.6
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.6
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.5
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.3
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.3
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.3
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.3
172.16.26.3 is unreachable
172.16.26.5 is unreachable
172.16.26.6 is unreachable
kanta@jackson:~$ 

ファイルから読み込んで範囲指定

-f オプションを使用すると、ファイル読み込んでfpingを実行することが出来ます。

まず、ping-list というファイルを作成し、 以下のように宛先IPアドレスを記述しました。

KKInt@jackson:~$ cat ping-list 
172.16.26.1
172.16.26.2
172.16.26.4
172.16.26.7
172.16.26.8

-f オプションで対象のファイルを読み込んで fping を実行することで、ファイルに記載されている宛先 IPアドレスに対して ICMP Echo Request を送信することが出来ます。

KKInt@jackson:~$ fping -f ping-list
172.16.26.1 is alive
172.16.26.2 is alive
172.16.26.4 is alive
172.16.26.7 is alive
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.8
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.8
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.8
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.8
172.16.26.8 is unreachable

結局はLinux上での操作ですので、ファイルの読み込ませ方は、いろいろできます。

「<」でファイルを fping に渡せますし、

$ fping < ping_list.txt 

cat で表示させたファイルの内容を fping に渡すことも可能です。

$ cat ping_list.txt | fping

送信回数指定

-c オプションを使用すると、ICMP Echo Request を送信する回数を指定することが出来ます。

3回送信したい場合は、以下のように実行します。

KKInt@jackson:~$ fping -c3 172.16.26.1
172.16.26.1 : [0], 64 bytes, 0.203 ms (0.203 avg, 0% loss)
172.16.26.1 : [1], 64 bytes, 0.234 ms (0.218 avg, 0% loss)
172.16.26.1 : [2], 64 bytes, 0.150 ms (0.195 avg, 0% loss)

172.16.26.1 : xmt/rcv/%loss = 3/3/0%, min/avg/max = 0.150/0.195/0.234

送信し続ける

ICMP Echo Request を送信し続けたい場合は -l オプションを使用します。

「Ctrl + C」で、Echo Request の送信を停止することができます。

KKInt@jackson:~$ fping -l 172.16.26.1
172.16.26.1 : [0], 64 bytes, 0.226 ms (0.226 avg, 0% loss)
172.16.26.1 : [1], 64 bytes, 0.132 ms (0.179 avg, 0% loss)
172.16.26.1 : [2], 64 bytes, 0.125 ms (0.161 avg, 0% loss)
172.16.26.1 : [3], 64 bytes, 0.195 ms (0.169 avg, 0% loss)
172.16.26.1 : [4], 64 bytes, 0.205 ms (0.176 avg, 0% loss)
172.16.26.1 : [5], 64 bytes, 0.223 ms (0.184 avg, 0% loss)
^C <<< Ctl + c で終了
172.16.26.1 : xmt/rcv/%loss = 6/6/0%, min/avg/max = 0.125/0.184/0.226

送信間隔(ミリ秒)

-i オプションを使用すると、ICMP Echo Request を送信する間隔を指定することが出来ます。

指定する時間の単位はミリ秒なので、3秒間隔ならば「3000」と指定します。

KKInt@jackson:~$ fping -c3 -i 3000 172.16.26.1
172.16.26.1 : [0], 64 bytes, 0.185 ms (0.185 avg, 0% loss)
172.16.26.1 : [1], 64 bytes, 0.138 ms (0.162 avg, 0% loss)
172.16.26.1 : [2], 64 bytes, 0.186 ms (0.170 avg, 0% loss)

172.16.26.1 : xmt/rcv/%loss = 3/3/0%, min/avg/max = 0.138/0.170/0.186

ICMP Host Unreachableを表示させたくない

ICMP Echo Request が失敗した際に表示される「ICMP Host Unreachable 〜」というメッセージを表示させたくない場合の方法です。

「ICMP Host Unreachable 〜」は標準エラー出力なので、「2>」を指定してエラー出力を /dev/null に送ることで、メッセージの表示を抑えることができます。

KKInt@jackson:~$ fping -f ping-list 2> /dev/null 
172.16.26.1 is alive
172.16.26.2 is alive
172.16.26.4 is alive
172.16.26.7 is alive
172.16.26.8 is unreachable

alive なホストのみ表示

-a オプションを使用すると、ICMP Echo Replyを返す(Alive)ホストのみを表示することができます。

以下の例では「ICMP Host Unreachable 〜」のメッセージを/dev/null に送って表示させないようにしています。

KKInt@jackson:~$ fping -a  -f ping-list 2> /dev/null 
172.16.26.1
172.16.26.2
172.16.26.4
172.16.26.7

-a オプションを使わなくても、以下のように grep で抽出することもできます。

KKInt@jackson:~$ fping -f ping-list 2> /dev/null | grep alive
172.16.26.1 is alive
172.16.26.2 is alive
172.16.26.4 is alive
172.16.26.7 is alive

unreachable だけ表示

-u オプションを使用すると、ICMP Echo Reply を返さないホスト(unreachable)のみを表示することができます。

KKInt@jackson:~$ fping -u -f ping-list 2> /dev/null 
172.16.26.8

unreachable のメッセージも合わせて表示させたい場合は、fping の結果を grepに渡すことで unreachable のみ表示させることもできますね。

KKInt@jackson:~$ fping -f ping-list 2> /dev/null | grep unreachable
172.16.26.8 is unreachable

統計情報表示

-s オプションを使用すると、実行結果の統計情報を表示します。

KKInt@jackson:~$ fping -f ping-list -s
172.16.26.1 is alive
172.16.26.2 is alive
172.16.26.4 is alive
172.16.26.7 is alive
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.8
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.8
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.8
ICMP Host Unreachable from 172.16.26.11 for ICMP Echo sent to 172.16.26.8
172.16.26.8 is unreachable

       5 targets
       4 alive
       1 unreachable
       0 unknown addresses

       4 timeouts (waiting for response)
       8 ICMP Echos sent
       4 ICMP Echo Replies received
       4 other ICMP received

 0.207 ms (min round trip time)
 0.229 ms (avg round trip time)
 0.249 ms (max round trip time)
        4.107 sec (elapsed real time)

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ネイティブの英語 7 “A cup of joe”


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意味:

「A cup of joe」で「コーヒー」の意味です。

「Cup of Joe」というフレーズは、アメリカ英語で「コーヒー」を指す俗語として知られています。この表現の起源にはいくつかの説がありますが、確かな結論はないみたいです。

こう呼ばれるようになった説は、以下の3つがあります。それらの説明がこちらに記載されていますので、もし興味があったら読んでみてください。

  • ジェセフス・ダニエルズ提督の説
  • 「ジョー(Joe )」が「一般の人」を指す説
  • 略語説(Java & Mochaの融合)

例文:

I’m feeling sleepy—time for another cup of Joe.

眠くなってきたな、もう一杯コーヒーの時間だ。

I can’t start my day without a cup of Joe.

コーヒーなしでは一日を始められないよ。

Mind if I join you for a cup of Joe?

一緒にコーヒー飲んでもいいかな?

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死刑確定囚・野比のび太 – 第二十三話・昇華するのび太の鬱屈


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殺意に昇華するのび太の鬱屈

のび太は部屋の薄暗い天井を見上げながら、昨日の出来事を反芻していた。

武に怒鳴られたあの瞬間が、脳裏で何度もフラッシュバックする。

「なんで僕だけがこんな目に遭うんだ……。」

自分が悪いなんて微塵も思わない。

それどころか、叱責されたこと自体が不条理であり、すべて他人のせいだという結論に至るまでの理屈を、彼の頭は休むことなく構築し続けていた。

のび太は、どれだけ自分が間違っていても、それを認めることなどない男だ。

それは幼少の頃から始まり、すでに生き方になっている。

母に怒られたときも、教師に叱られたときも、彼は常に言い訳を探し、自分がいかに正しいかを、自身の中で主張し続けた。

そして、最終的には「自分は被害者であり、周囲が悪い」という結論にたどり着く。

「ジャイアンが悪い。全部アイツのせいだ。なんで僕を雇ったんだよ……?」

のび太の頭の中で、ゆがんだ理屈がひねり出される。

「僕がどれだけ苦しんできたか、ジャイアンは知らないくせに。いや、知っていて、わざと雇ったんだ。アイツは僕を見下して、自分の成功を見せつけたいだけなんだ」

その考えは、武の行動のすべてを悪意という解釈に変える。

のび太にとって武が手を差し伸べた理由など、最初から存在していない。

その曇った脳内で、武は許しがたい敵となりつつある。

「静香ちゃんと結婚して、子供まで作って、僕の前に現れるなんて……嫌がらせに決まってる」

現実には、武はのび太のためを思い、どうにか立ち直らせようとしただけだ。

しかし、のび太はそんな善意を受け取れる心を持ち合わせていなかった。

逆に、その善意すらも「自分への攻撃」と解釈する。

「許さない……ジャイアンを絶対に許さない……。」

のび太は、これからも武に叱責される自分の姿を想像し、その度に憎しみが深まっていった。彼の中で、武は「幼いときから自分を傷つけ続ける存在」として膨れ上がっていく。

のび太の脳裏では、武に対する怒りと憎悪が巨大な渦を巻いていた。

「僕を、こんな目に遭わせた報いを受けさせる……!」

憎悪は次第に具体的な計画となり、のび太の中に確固たる決意が生まれる。

最初は曖昧だった思考が、夜を通して徐々に形を成していった。

「アイツを殺す」

その言葉を心の中で繰り返すたび、のび太は奇妙な興奮を覚えた。

自分が正しい、自分が被害者、だから武を罰するのは当然だ、という歪んだ正義感が彼を支配していた。

気がつけば窓の外は薄明るくなり、部屋の中に朝の光が差し込んでいる。

のび太は一晩中考え続けた末に、ついにその決意を固めた。

彼の顔は青白く、不健康な光を放っている。

「僕はもう黙っていない……」

のび太はベッドからゆっくりと起き上がり、荒れた部屋の中でぼんやりと立ち尽くした。彼の中にあるのは、一晩かけて育てた憎悪と、行動に移そうとする危うい衝動だった。

部屋の片隅に置かれた古びた机の上には、小学校時代に父親ののび助が映した写真が置かれている。

その中には、明るい笑顔を浮かべた小学生時代ののび太と武、スネ夫、そして静香が写っていた。

すでにこの時には武とスネ夫にいじめられ、静香にはそっけない態度をとられていたが、たまたま一緒にいたところをカメラ片手に通りかかったのび助が、仲よく遊んでいるのだと勘違いして撮影したのだ。

武やスネ夫、静香も、まさか父親の前でのび太を迫害するわけにもいかず、大人しく仲がよさそうなフリをしている。

のび太はその写真を見つめると、手に取って裏返した。

「昔のことなんかどうでもいい……」

彼の中で、過去は完全に断ち切られた。

残るのは武への憎悪と、報復の衝動だけだった。

続く

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