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バカはバカに厳しい

バカとして生きることはつらいことだ。バカは見ていて面白いかもしれないがバカ本人は苦しんでいるし、どんなに自分がバカだと分かっていてもバカにされるのは腹が立つものなのだ。

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  • 『自分は自分、バカはバカ。他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』
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  • 『コロナとバカ』

「バカ」という言葉をタイトルに含む書籍は数多い。

それはある社会現象や風潮を文字通り「バカ」にして皮肉ったり、あるいは世にはびこる「バカ」への対処法や、「バカ」を科学するものもあるようで、やはり、「バカ」という言葉は心の琴線に直接接触する一種のキラーキーワードなんだろう。

これらの書籍はそれなりに社会的に成功した人々が著者なんだから、まず著者はバカではなく、読者も著者の言うところのバカではない、という前提と思われる。

それか、読者の方は自分がバカではないことを確認する反証バイアスのために読むのだろうか?

しかし、私はかねてよりこうした「バカ」について解説しているとみられる書籍の中に肝心なものがないように思えてならなかった。

それは「バカによるバカのための本が存在しない」ということだ。

つまり、主にバカがどう生きるべきかを、バカが自分の体験を基に世の中のバカたちに指南する本があってもよいのではないかと考えているのだ。

バカとは?

ここで言及するバカはもちろん悪い意味でのバカである。

「空手バカ」とか「野球バカ」とかの、それ一筋で他のことを考えないポジティブな意味でのバカではない。

バカとは誰が何と言おうと欠点である。

平均的で健全な社会生活を営むのに必要な資質や能力に著しく欠ける深刻な欠陥を指すのだ

その欠陥たる「バカ」には多種多様なタイプがあり、私的に大きく分類すると、

  • 知識の総量が一般人に及んでいないか、現代に対応していない「無教養系バカ」
  • いくらモノを教えてもなかなか習得しない「学習困難系バカ」
  • 物事の筋道を立てたり、合理的な思考や言動ができない「非論理系バカ」
  • 大切なことをすぐ忘れたり、注意力に著しく欠ける「不注意系バカ」
  • 応用力や想像力が全く機能しないか、させる気のない「思考停滞系バカ」
  • まっとうな社会生活を送るために必要な常識や配慮に欠ける「無神経・非常識系バカ」
  • 自分が他人にどう見られているか、自分の立ち位置が分からない「無自覚系バカ」

…などなど際限なく思い浮かぶ。

私自身はこのうち少なくとも「学習困難系バカ」、「非論理系バカ」、「不注意系バカ」、「無神経・非常識系バカ」に該当しており、合併症すら発症している。

私はバカであることに胸を張る気はない。

これまでよく怒られたり、職場を解雇されたりと様々な不利益を被ってきたことが誇らしいことでは決してないはずだからだ。

自分がバカだと分からない「無自覚系バカ」じゃないだけマシだと言う者もいるが、自分がバカだと分かっているからといって心が楽になるわけではない。

バカゆえに将来への展望や可能性が大きく制限されることを自覚するのはあまり気持ちのいいものではないからだ。

バカは傍から見て面白いかもしれないが、バカ本人はそう思っていない。

バカもバカにされると不愉快になるのだ。

誰が人様を楽しませるために自分の尊厳を犠牲にすることが面白いものか。

近年ではバカとひとくくりにされてきた者たちが、発達障害や学習障害などの疾患を抱えていると見て理解を示す向きもあるが、社会は相変わらずバカとみなされる者に冷たいし、暖かくなることもないだろう。

効果的な救いの手が伸ばされることなく、生きづらさを抱えながら人生を送らざるを得ないことは私も覚悟している。

長年バカとして生きてきたが、実はどうすれば心地よく生きられるかはいまだによくわからない。

だがどうすれば最悪かはよくわかっているつもりだ。

46年生きてきた中で振り返ると、これをやったらヤバイいことになったと思われる行為が自分自身の経験からも他人の例からもかなり見受けられるのだ。

それは私自身だけでなく他のバカにも適用可能で普遍的な教訓ではないかと思う。

もしあなたが自他ともに認めるバカだが、他人の話を理解できないほど深刻なものではないならば、他山の岩としていただければ幸いである。

バカであることをアピールするなかれ

バカは恥ずべきことだ。

胸を張って主張することではない。

なのに世の中には、

「俺はバカだから」

と、自分でバカであることを白状する者は少なくない。

本当にそう思って、自分を卑下しているのかもしれないが、これは多分に「俺にあまり期待しないでくれ」とか「難しいことをさせないでくれ」と予防線を張っているつもりなんだろう。

私もそうしたことはある。

だが、これは実はよくない。

あんまり言いすぎると、

周りの者に「こいつはバカにしていいのだ」

と思われる可能性があるからだ。

人間は本能的に自分を最底辺には置かず、自分より下を作りたがる。

特に本物のバカに限ってその傾向が強い。

バカにバカにされるのは我慢がならないだろう?

また「自分はバカだ」と言い続けると、周りからそう思われるだけではなく、自分も本当によりバカになっていくことが多い気がする。

自身の経験から、

どうも「バカ」という日本語に宿る霊力はかなり強力で、特に自分に対して言った場合には言霊となって本当に実現しやすいようなのだ

つまり今以上にバカになってしまう。

「俺は天才だ」と公言するのもよくないが、自分がバカだと周りには言わない方がよい。

本当にそうであったとしても。

バカは利口ぶってはならない

バカだと白状するのもいけないが、だからと言って知ったかぶりをしたり利口ぶったりするのもよくない。

切れ者にあこがれる気持ちはよくわかる。

だが何をやってもバカは終生切れ者にはなれない。

それなのに、私はついついやってしまう。

知ったばかりのことを、さも一般常識ですらあるかのように利口ぶって得意げに語った結果、相手はもっとそれについて知ってて、間違いを指摘されたり、突っ込まれたりして木っ端みじんに粉砕されてしまうことが。

ついこないだもやってしまった。

これは南米かアフリカあたりの失敗国家の経済政策か軍事クーデターみたいなもので、これからも繰り返すであろう。

バカは愛されなければ生きていけない

バカが周りから嫌われたら最悪だ。

有能な人間が嫌われるよりずっとやばい。

はっきり言ってその所属する社会ではアウトオブカースト同然となる。

いつの世も人間は嫌らしい。

バカにしている人間が憎たらしいと、そういう時だけ正義感を発揮して大いに排斥してくるはずだ。

では、憎まれるバカとはどんなバカか?

バカであることを認めないバカ、姑息な計算をするバカ、反抗的なバカ、利口ぶるバカ、プライドの高いバカなどが思い浮かぶが、

要するに素直じゃないバカが嫌われる。

バカは嫌われてはならないのだ。

ただでさえあてにならない奴だと良く思われているのに、その上嫌われたらもう評価が覆ることはない。

一挙手一投足がカンに触るものとみなされるようになる。

私はそういう扱いを受けていたバカを何人か知っているし、私自身がそうなったことがあるから切実に思うのだ。

バカはバカに厳しい

先ほどの「バカであることをアピールするなかれ」でも述べたことだが、バカに限って自分よりバカだと思った者をバカにしたがるようだ。

よく職場で仕事ができない奴に限って新入りなどには厳しく接していた気がする。

日ごろのうっぷん晴らしか、それとも自分がやられて嫌なことを他人にやるのは楽しいからか?

はたまた自分が利口になったと錯覚するからだろうか?

だが、他人をバカだと決めつけてバカにする前によく考えてみてほしい。

そいつが本当に自分よりバカだとは限らないし、いつまでもバカだとも限らないのだ。

まあ、そんな簡単なことにも頭が及ばないからバカなんだろう。

ずっとバカだと思っていた奴が、実は自分よりずっと有能だったと証明された時のバツの悪さとそれ以降の居心地の悪さと言ったら、たまったもんじゃない。

これも身に覚えがある。

バカにされないバカになるには?

本当にバカなのにバカにされない者もいる。

バカなのにバカにしてはいけないバカとはどんなバカ?

決まってる。

怒らせると怖いバカだ。

前々項で「バカは嫌われたら、おしまいだ」と述べたが、

恐れられるバカは違う。

怒らせたらやばい奴がバカなんだから、その脅威の深刻度は倍増しである。

尊重されるわけでは決してないが、触らぬ神に祟りなしとばかりに、腫れ物に触るように扱われるだろう。

どっちかと言えばぼっちにされていることになるが、バカにされて見下されるよりはマシかもしれない。

とは言え、こういうバカはそもそも平均以上の腕力やケンカ上等の精神力という資質を備えていなければならず、どちらもないならば目指してはならない。

また、あったとしても目指すのは危険だ。

この文章を読んでいる人が、その理由が分からないほどバカではないことを祈ってやまないが。

以上、バカが生きる上で心がけるべきだと思うことについて私なりにまとめてみたが、

他にも忘れてしまった重大なことがあったかもしれないし、

私自身がまだ気づいていない、バカとしてやってはいけないことがあるのかもしれない。

また、私の文章が分かりにくくて矛盾に満ち、参考にならなかったかもしれない。

でも、これは仕方がないことだ。

なぜなら、私もあなたもバカなんだから。

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